プログラマティック市場が成熟していくにつれ、効率性と真の価値創造の追求という重要なテーマが浮上してきました。マーケットの両サイドを代表するプラットフォームへの統合から供給経路の最適化への注目が高まっており、業界全体で大きな変化が起こっています。
直近では、最高入札価格のSSPへの送信を、たとえ設定のフロアプライスを下回った場合であっても行うようにする旨を、The Trade Deskが発表しています。この取り組みに対しては、SSP事業の価値を損ねるという主張などのさまざまな反応があったものの、この措置は市場に価格の透明性をもたらし、プログラマティック広告において効率性と価値の向上という新時代を真に反映したものであることは、純然たる事実です。
価格透明性の向上
従来、メディアバイヤーやDSPには、メディアオーナーが設定したフロアプライスが高すぎると判断した場合、入札の選択はなかったでしょう。そしてこれはメディアオーナー側にとっては、バイヤーが入札を行わなかった理由が、在庫に魅力がなかったためなのか、希望価格が高すぎたためなのか、はたまたバイヤーの予算がなかったためなのか、判断することはできませんでした。
長年、プログラマティック広告の成長は、このような不均衡な情報の流れによって妨げられてきました。マーケターが広告の費用対効果を最適化するために購入したメディアの真の価値の理解に尽力してきたように、メディアオーナーもまた、マネタイズ最大化を目指し在庫の価値を理解するべく奮闘してきました。
The Trade Desk は、たとえ最低値を下回っていたとしても、最適価格で入札することでサプライチェーン全体にわたる価格の透明性と効率性を育んでおり、これは市場の成功へとつながっていきます。この活動により、デジタル広告に大きく欠けていた価格発見が可能になります。
価格発見は、商品の公正価格を決定するための、需要と供給の交点の判定に役立ちます。これにより、公正かつ透明性のある価格設定が可能になるだけでなく、より効率的、効果的で信頼性のある市場の構築も促すことができます。
価格戦略の最適化
より多くのフィードバックや情報を得ることは、メディアオーナーにとって利点しかなく、そういった情報がないことに比べて遥かに有益です。メディアオーナーは、希望価格を下回る入札の受け入れを強いられることはありません。それどころか、バイヤーの入札をより詳細に把握できるようになり、それらのシグナルやデータを活用してどのように価格設定戦略に影響を与えるか決められるようにもなります。
メディアオーナーは、バイヤーが在庫の価値と全体的な需要状況をどのように認識しているかをより明確に把握できるため、価格設定を戦略的最優先事項にする機会が得られます。
Index Exchangeは、プログラマティック・オークションの透明性を高めることが不均衡な価格設定という課題の解決に役立ち、業界の今後の成長にとって重要であると強く信じています。これにより、メディアオーナーは在庫の真の市場価値を反映した価格を設定し、バイヤーに正確な価格設定のガイダンスを提供することができます。これは、すべての利害関係者にとって予測可能かつ効率的な成果を出すための鍵となります。
弊社は、お客様が価格設定を明確にし、サプライチェーンにおける説明責任をしっかり果たせるよう、今後も引き続き透明性の高い洞察とレポートを提供して参ります。
効率と価値の推進
成熟した効率的なプログラマティック市場には、正確な価格発見と透明性が欠かせません。マーケターはキャンペーンをさらに最適化し、メディアオーナーは収益を最大化できるため、誰もがROIの向上による恩恵を受けることができます。
この業界は、効率性と価値を優先し、それに報いる方向への抜本的転換の真っただ中にあります。それによって新たな競争がもたらされますが、心配はご無用です。むしろこれは業界中のプレーヤーが順応し、それぞれが提供する価値を証明しなければならないという市場の健全な流れであり、流れに乗らなければ取り残されてしまうでしょう。
広告エクスチェンジの効率性に関するIndex Exchangeの取り組みについて、詳しくはこちらをご覧ください。
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