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エンジニアリング・スケーラブルソリューション:Index Exchangeの機械学習と最適化

Index Exchangeのビジョンは、市場全体の効率化です。当社のエンジニアチームは、それを実現するシステムを開発するために、機械学習と最適化を活用しています。 

今回は、機械学習と最適化エンジニアリング バイスプレジデントのエラン・ウダッシン(Eran Udassin)、エンジニアリング リードマネージャー ヴァンス・ウェイ(Vance Wei)、シニアデータサイエンティスト ジャスプリート・シング(Jaspreet Singh)と、取り組んでいるプロジェクトの詳細や、コラボレーション*へのアプローチ方法、私たちのシステムと業界にもたらす効果的な最適化についてお話を聞きました。

特にやりがいを感じた機械学習のプロジェクトは何ですか?

ヴァンス・ウェイ: 広範囲でミリ秒以下のレイテンシーモデルを提供する最適化機械学習推論フレームワークを開発しています。アドテクのエコシステムにおいて、パーソナライズされたおすすめとリアルタイムビディングのようなタスクには、欠かせません。このシステムは、膨大なトラフィックをスムーズに処理し、当社のビジョンである市場効率化の実現を後押ししています。

このフレームワークに取り組むことにより、チームは、最新技術を活用でき、高速で、広範囲なシステムを管理する貴重な体験ができます。  

ジャスプリート・シング: トラフィックシェーピング・モデルを拡張するために、ニューラルネットワークを使用しており、膨大なデータセットから学習することができます。このような高度なモデルを利用することで、小規模で、より詳細なエクスチェンジのセグメントを、高い精度で分析し、全体の効率性とパフォーマンスを改善します。 

当社の機械学習モデルは、今年、具体的にどのような成果を出しましたか? 

ヴァンス・ウェイ: 機械学習モデルのトレーニングをクラウドから、自社のプライベート・クラウド・スタックに移行し、機械学習の運用コストを80%以上削減することに成功しました。  

ジャスプリート・シング: 私たちは、超低遅延で、自社のデータセンター、モデル、ソフトウェアによリ、毎秒数百万件の個別の広告を処理します。当社のモデルは、市場の急激な変化や停電にもすばやく対応できるため、ストリーミングTVのリクエストが急増する時間帯や、年末年始などのデマンドが多い時期のトラフィック急増にも対応できると確信しています。  

当社の機械学習と最適化チームは、各国の従業員から成り立っています。チーム内のメンバーと、その他業務とは、どのように連携しますか? 

エラン・ウダッシン: 当社の機械学習エンジニアとデータサイエンティストは、4か国と8都市に在住します。私たちは、実際に世界をまたにかける業務に携わっています。既存の改良された機械学習プロダクトを利用し、最適化とプロジェクトの目標達成をサポートすることにより、他のチームと連携しています。  

ジャスプリート・シング: 私たちは、全員が各国の標準的な就業時間内に仕事ができるよう、可能な限り作業計画を立てます。多様なタイムゾーンをカバーしているため、時折、必要に応じて非同期コミュニケーションを利用し、就業時間が重なる際に1日1回コミュニケーションを取り合います。対面のミーティング、Slack、随時更新ファイルなどを組み合わせて、連携します。 

ヴァンス・ウェイ: チームミーティングでは、オーバーコミュニケーションを実践します。大切なことは、何度でも伝える価値があります。当社には透明性と信頼のある文化があり、非常に恵まれています。チーム内の距離を縮めるのに、とても役立っています。 

Index Exchangeまたは、アドテク業界全体で、機械学習が変化をもたらす可能性はどこにあると思いますか? 

エラン・ウダッシン: アドテクの世界では、デジタル広告の売買に多くの工程と、取引を行うマーケター、メディア企業、様々な仲介者が関わります。このような仲介者は、広告が適切なオーディエンスにリーチするように保証することで、この工程に複雑さとコストが生じます。 

高度な機械学習を適用することにより、当社のエンジニアチームは、クレジットカードの取引のように、広告取引を簡易化できます。クレジットカードをスワイプすると、即時に処理が完了します。あなたの銀行が、支払いを承認し、カード会社は取引を完了します。そして、ベンダーが、最低手数料を負担して売上金額を即時に受け取ります。機械学習は、意思決定を自動化し、無駄を省き、各広告費が可能な限り効果的に消費されるようにすることで、広告取引に、同等の効率性を実現できます。 

また、機械学習は、オープンインターネット全体のパターンを検出し、マーケターが新たな機会を見つけ出すのに役立ちます。ユーザーの閲覧方法や、エンゲージするコンテンツの種類、あるいは特定のプロダクトのためのニッチオーディエンスについてのトレンドを特定できます。このようなパターンを分析することにより、機械学習はマーケターと適切なオーディエンスを適切な場所でつなぎ、キャンペーンをより効果的で関連性の高いものにします。 

ヴァンス・ウェイ: 機械学習は、既にIndex Exchangeおよびアドテク業界全体の中核的な効率性と意思決定を支えています。業界全体に影響を与える、期待できる分野のひとつで、まだほとんど開拓されていないのは、私たちが提携している多様なパートナー間での機械学習プロダクトとアルゴリズムの互換性です。特に、入札とマッチングに関して機械学習への依存が高まるにつれて期待が高まります。 

例えば、エクスチェンジがユーザーの好みを予測すると同時に、ユーザーがエクスチェンジのサービスを理解しようとする場合、このダイナミックな動きは、各当事者の目的によって形成される複雑で何重ものフィードバックループを生み出す可能性があります。 

ジャスプリート・シング: 私が、個人的に機械学習が中心になると考えている重要な分野は DSPがキャンペーンや戦略を変更する際に、個々の広告リクエストをリアルタイムに適用させ、フィルタリングする能力です。高精度にこれを実行できることにより、DSPに大きな効率的メリットを提供します。  

全体として、この規模と速度の機械学習は稀であり、私たちは顧客のためだけでなく、応用機械学習全体に革新を起こす大きな機会を手にしています。 

Index Exchangeのエンジニアチームについてご確認ください。

*リンク先のページは英語です

Kylie Denk

Kylie Denk

従業員ブランドマネージャー

カイリー・デンク(Kylie Denk)は、Index Exchangeの従業員ブランドマネージャーとして働いています。従業員の体験談を共有して、優秀な人材を惹きつけ、確保するための影響力のあるストーリーを生み出すことに力を注いでいます。Index Exchangeで、10年以上にわたり採用と従業員ブランディングに関する経験を積んでいます。

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