プログラマティックエコシステムは、AIの発展とセルサイドの意思決定により後押しされ、成長の渦中にあります。この変化は、よりスマートで、ダイナミック・キュレーションを可能にし、セルサイドとデマンドサイドの意思決定が、スムーズに連携されることにより、本来のパフォーマンス向上を実現します。
セルサイドの意思決定が、どのようにしてプログラマティック戦略に変化をもたらしているか理解するため、*Butler/Till チャネルアクティベーション・グループディレクター、ライアン・ラメラと*SWYM.ai 協働創設者兼最高責任者、アンドリュー・アルターソーンに話を伺いました。

SWYM.ai 協働創設者兼最高責任者、アンドリュー・アルターソーンとButler/Till チャネルアクティベーション・グループディレクター、ライアン・ラメラ
1. 結果を出すことにフォーカスするマーケティングエージェンシー「Butler/Till」は、プログラマティック・キャンぺーンの効率性を改善することに注力しました。サプライパスを最適化するため、パフォーマンスが悪いメディアを削除することから、MFAサイトの排除まで実施しました。現在は、どのようなアプローチを行っていますか?
ライアン・ラメラ:私たちは、包括的なアプローチを取り入れています。「直接的が成功の鍵」という信念を持ち、サプライパス最適化(SPO)にも適用しています。Index Exchangeのような非常に信頼性の高いSSPとSWYMのようなキュレーション専門企業を活用し、効率性と品質を確保します。また、私たちは、Jounceのようなサードパーティと協働し、代理店全体でMFAの排除、慎重なDSPの選択、取引に関与する担当者の取り組みによって改善を行っています。
これは、私たちのエコシステムの変化に伴い、進化し続けます。現在では、これはAIの重要性が増していることを意味します。例えば、私たちが、どのようにキュレーションからメディア購入の最適化にアプローチするかという事です。
2. それでは、もう少し詳しく話していきましょう。最近では、特にセルサイドに最適化されたアルゴリズムを適用することで、より優れた結果を効率良く出せることが分かってきました。AIについて、どう思いますか?AIは、貴社のキュレーション戦略に影響を与えていますか?
ライアン・ラメラ:AIは、シグナルを処理するに伴い、学習モデルを更新するため、より多くのデータをより速く処理するための最適なツールだと考えています。AIは、メディアと広告において、大きな進展もたらす可能性があります。
プログラマティック広告が掲載申込みを削除することで、より多くのインベントリに短時間でリーチできるようマーケターをサポートするのと同様に、AIは、その効率性を補う措置を提供し、大規模で適切な配置のみ購入することを保証します。
アンドリュー・アルターソーン:現在、ほとんどの代理店とブランドには、優先SSPパートナーの一部に基づいて作成した、明確なSPO(サプライパス最適化)戦略があります。これは、良い第一歩です。しかし、このアプローチは、最も効率的で、コスト効率が良く、透明性があるインベントリへのパスを見出すのに役立つだけです。
従来のSPOは、DSPと接続するSSP間のパフォーマンスシグナルの欠如という、最も重要な部分を対処または、修正できません。
SSPは、ほとんどの場合、どの入札リクエストのパフォーマンスが良いか把握していませんが、これは、最適なキュレーションには欠かせない要素です。そのため、SPO戦略がある場合でも、AIを活用したキュレーションと自動化は、貴社のDSPに送られる入札リクエストが、高いパフォーマンスを発揮する可能性を高めるのに重要な役割を果たします。
3. この問題を解決するため、SWYMが、バイサイドとセルサイドのシグナルから学習するキュレーションのための、アルゴリズム・ソリューションを開発し、Index Exchangeマーケットプレイスをカスタマイズしました。何が、セルサイドに意思決定を置くように後押しましたか?
アンドリュー・アルターソーン:私たちは、プログラマティックの無駄や非効率性を削減するための根本的な機会は、プログラマティック・メディアの購入方法ではなく、どのように提供されるかであることに気付きました。特にマーケターは、DSPを介した入札では、QPS制限内の利用可能なサプライにのみに入札します。また、DSPにサプライを送信するSSPは、どの入札リクエストが、実際にキャンペーンKPIに影響しているか理解できる重要な情報を含んでいません。
DSPとSSP間で、このようなパフォーマンスのフィードバックがない場合、入札リクエストのサプライは、最適化されていません。
そこで、SmartCurateソリューションを開発しました。私たちのアプローチは、サプライパートナーとセルサイドの意思決定の役割の重要性を高めるアプローチを採用しています。さらに、ブランドや代理店に対して、購入と最適化プロセスの捉え方に変化をもたらしています。
私たちのソリューションは、判断するのみでなく、パフォーマンスが高いインベントリをキュレーションします。DSPが入札する可能性があるインベントリのシグナルをSSPに送信することから始め、より良いインベントリの入札可能なサプライを拡大します。これが、より良いサプライの提供を促すための重要なシグナルです。
4. セルサイドの意思決定に移行することは、Butler/Tillのキャンペーン戦略にどのような影響がありましたか?また、キャンペーンの実施や貴社のチームを新たな状況へ導くにあたり、どんな影響がありましたか?
ライアン・ラメラ:確実に、セルサイドから正しいリクエストのみを送信することによって、DSPが精査する「無駄」を効率的に削減できます。これにより、最終的にクライアントが実際に求めている結果に導く入札リクエストを確認できるようになります。その一方で、私たちのセルサイド・パートナーは、どのようなインベントリが不要なのか理解を深められるため、それらを他の場所で収益化できます。
私たちは、両者にメリットがあるソリューションを重要視しています。また、セルサイドの意思決定は、全ての関係者に利益をもたらします。
5. 入札取り引きの早期段階で、意思決定を可能にすることにより、Butler/Tillのクライアントにどのような成果をもたらしましたか?
ライアン・ラメラ:私たちは、SWYMと共に、このアルゴリズム・キュレーション・アプローチを様々なキャンペーンとクライアントに適用しました。これは一例に過ぎませんが、私たちが金融サービスクライアント向けに実施したキャンペーンでは、プログラマティック・サプライチェーンの簡易化と整理につながりました。SSPとサプライヤー数を90%削減し、ドメインを52%削減しました。(成功事例の詳細は、こちらをご覧ください。)
これにより、サプライチェーンの複雑さが軽減され、透明性が向上するだけでなく、このような簡便化と統一化により、キャンペーンが実行されるサイト数と種類を最も効果的なサイトに限定することで、ブランドセーフティも改善できます。
さらに重要なのは、このアルゴリズムを活用したセルサイドの意思決定アプローチは、コンバージョンに顕著な影響を与えたことです。この主なKPIは、56%の向上を記録し、1コンバージョンあたりの費用は26%削減されました
6. すでに明らかな影響がありますが、私たちはまだ、プログラマティックにおけるAIやセルサイドの意思決定の可能性を活用し始めたばかりです。今後、どのような機会があると思いますか?
ライアン・ラメラ:私たちは、広告は、単に適切な人に配信されるだけではなく、適切なタイミングと適切なコンテクストで届けられることで、最適な広告になると思っています。セルサイドが、ブランドのニーズについて、より理解を深めるにつれ、AIがキュレーションだけでなくコンテンツ制作にも役立つことを考えると楽しみです。
例えば、ダイナミック・クリエイティブ最適化(DCO)のようなアプリを考えてみてください。そして、それが、パブリッシャーのサイト上で発生するとします。コンテンツはリアルタイムで更新され、購買意欲に基づいて消費者が広告を理解し、記憶に残りやすい方法で展開されます。
アンドリュー・アルターソーン:アルゴリズムによるサプライチェーンの形成は、まだ初期段階にありますが、基本的な最適化以上に発展する大きな可能性を持っています。成功への鍵は、オーディエンスデータなどのより豊富なデータセットをサプライキュレーションに直接取り入れることです。これにより、スケール可能で多次元的な入札戦略が可能となり、サプライとデマンドの溝をリアルタイムに埋めることができます。
サプライサイドのシグナル(入札率、アクセス可能、サプライパス効率化)とデマンドサイドのパフォーマンスデータの両方を活用することで、実際にインテリジェントな入札プロセスを構築することが可能です。これにより、すべてのインプレッション機会がその機会毎に評価され、購入者は常に最も効率的な価格で入札することが保証されます。
しかし、進化はここで止まりません。次の段階は、DSP内の入札効率モデルの改善が推進力となり、より精密な入札調整、適応性のあるペーシング、および動的なサプライの状況に応じたリアルタイム最適化が可能になります。AIが引き続き、業界の環境を形成していき、私たちは現在、セルサイドとデマンドサイドの意思決定がシームレスに連携し、効率性、パフォーマンス、そして規模の拡大を促進する世界へと向かっています。
Index Exchangeマーケットプレイスとセルサイドの意思決定が、どのようにパフォーマンスを向上し、新しいビジネス機会を切り拓けるか、詳細をご確認ください。
*リンク先は英語のページです。
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