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プログラマティック広告の未来を乗り切るには

プログラマティック広告の未来は間違いなく、近ごろアドテク業界全体で見られた激震とも呼べる変遷によって形作られていくことでしょう。すなわち、プラットフォームの更新、アイデンティティにまつわる絶え間ない戦い、より厳格になる法規制、そして新たなコンテンツ消費の習慣などです。

新たなチャネルやデバイスは、進化を続ける機会をもたらしてくれます。昨年、当社が自社エクスチェンジインフラを完全に再構築した理由はここにあります。当社が今日のオムニチャネル環境のために、イノベーションを実現するためです。世界的に拡大を続ける法規制や急速な変化を遂げるプラットフォーム環境は、引き続き新規企業がこの業界に参入する障壁となっています。さらに、これまでになく一層関心を高めるデジタルコンテンツの消費者たちの存在により、私たちには毎年目まぐるしい進展が求められるようになっています。 

これらすべての業界シフトはまた、オープンインターネットの重要性と独立系アドテク企業が市場にもたらす価値を裏付けるものです。Index Exchangeでは、すべての関係者が安心して取引できる環境となる、公正で効率的なマーケットプレイスへの当社の絶え間ない追求が、メディアオーナーとマーケター、そして消費者のメリットとなると考えます。 

これらの変遷を乗り切る助けとなる人物に、The Trade Deskの創設者兼CEOであるジェフ・グリーン (Jeff Green ) 氏を置いて他にいるでしょうか。同氏はこの業界において最も先進的なビジョンを持った人物の一人です。同氏とIndex ExchangeのCEOアンドリュー・カサーレ (Andrew Casale)が、オムニチャネル環境がもたら機会をすべて最大限に活用する方法について討議しました。オンラインで開催された座談会「オムニチャネル環境におけるプログラマティックの未来」から、要点をご紹介しましょう。

プログラマティック広告のサプライチェーンにより効率的な規模の実現が必要な時代に 

両氏の会話はまず、プログラマティック広告のサプライチェーンに注目することからはじまりました。プラットフォームの未来における主な課題は、規模ではないからです。重要なことは、プログラマティック広告の膨大な規模からもたらされるインサイトを解き放つことにより、サプライチェーンが可能な限り効率的、かつ効果的になることです。そのような概念の一つに、最適価格の策定があります。これは、メディアオーナーとバイヤーの間におけるトランザクションの価値に関し、さらなる透明性を創出することで適切な規模を実現するために重要となります。 

価格策定への取り組みの一環として、The Trade Deskでは最近、「Global Placement Identifier (GPID)」というイニシアチブを開始しました。これは、パブリッシャーのサイトにおける広告単位を表す一意の識別子で、インプレッション機会を正確に判断するのに役立ちます。  

グリーン氏は次のように述べています。「私たちは、どの[インプレッション]が広告主に対して最も大きな価値をもたらすかを知ろうとしています。それらは大抵、一貫して価格策定ができるデータを持っているものです。そのようなデータがないインプレッションは無視します。」  

価格策定を可能とする経済的インセンティブは、すでに現れています。平均値として、Index ExchangeプラットフォームでGPIDを有効にしているパブリッシャーは入札率が24%上昇しており、CPMにいたっては、GPIDを利用していないパブリッシャーの2倍になっています。

「当社のエクスチェンジで行われるトランザクションの件数が上昇し、これら透明性の高い識別子が一層広く利用できるようになる中、識別子を有効にしているパブリッシャーは、入札率も収益も高くなっているのが明らかです。」

代表取締役社長兼CEOアンドリュー・カサーレ (Andrew Casale) 
Index Exchange

メディアオーナーはアドレッサビリティに対するプライバシー指向のアプローチを準備すべき

アイデンティティの将来は、未だこの業界において最も話題に取り上げられるものの一つであるのは当を得たことです。端的にいうとアイデンティティとは、匿名化された方法でプロファイルに数値からなる識別子を添付することを意味します。Googleが発表した通り、本当に2023年にサードパーティーCookieを廃止(英語)するか否かはまだ不明です。しかし、メディアバイヤーはすでに、Unified ID 2.0LiveRamp’s RampID(英語)の他、様々なユニバーサルIDの導入をはじめています。  

グリーン氏は警告します。「多くのパブリッシャーは、GDPRの時と同様、先延ばしという同じ過ちを犯しています。行動に移る前にもっと明確な情報があれば、と手をこまねいているのです。」同氏によると、Cookieが廃止されると、オープンインターネットは一時的な下落を見せ、それがパブリッシャーに影響を及ぼす可能性が高い、とのことです。DSPとメディアバイヤーは、アドレッサビリティが有効なキャンペーンと価格策定を可能とする識別子を利用するメディアオーナーに出稿するようになり、それ以外のメディアオーナーは減収することでしょう。

「パブリッシャーは、プライバシーを保護しつつ、自社サイトで関連性の高い広告を提供できるよう、アイデンティティ関連の戦略を立てる必要があります。それ以外に、プレミアムCPMを維持できる方法はありません。」

The Trade Desk 
創設者兼CEOジェフ・グリーン (Jeff Green)
 

まだ準備に取りかかっていないメディアオーナーは、今こそはじめるべき時です。カサーレは次のように述べています。「すでにSafari、Firefox、今ではMicrosoft Edgeなどにより、Cookieを使わないウェブには豊富な機会があります。Chromeの決定がいつ来ても備えができるよう、当社では、これらの環境でさまざまな認証関連の戦略を試みるようお客様と協働しています。」

アイデンティティは測定と属性の付与に不可欠

アドレッサビリティとアイデンティティには、単にターゲティングを可能にするものであるという誤解があります。しかし、属性付けと測定も、おそらく同様に重要なものとなります。マーケターが自社キャンペーンからの収益を実証できないなら、より多くの予算が振り分けられることはないでしょう。 

とりわけCTVの発展により測定がひときわ取り沙汰されるようになったことから、グリーン氏は次のように述べています。「今年は測定の未来において重要な一年です。」この業界の一部の企業は、単にインプレッションをインプレッションとしてのみ扱い、測定を単純化しようとしています。しかし、この手法では、主にウォールドガーデンの利益となるだけです。

「オープンインターネットとウォールドガーデンの測定のアプローチの間には、大きな軋轢が見られます。これには、インターネットの未来、テレビの未来、そしてジャーナリズムの未来がかかっています。」

The Trade Desk 
創設者兼CEOジェフ・グリーン (Jeff Green)

カサーレは次のようにコメントしています。「CTVでも、モバイルでも、その他あらゆる分野でも、大切なのは環境です。インプレッションの価値を単純化しすぎると、ファネル全体において強力な結果を促進するプレミアム環境での出稿につながりません。」オープンインターネットにおける適切な測定基準の構築により、メディアオーナーは自社のプレミアムコンテンツの価値を最大限活用できるようになり、結果として消費者が楽しめるコンテンツをより多く制作することができるのです。

プログラマティックCTVの未来は未開の地

CTVエコシステムの細分化は、マーケターにとって測定と頻度上限設定はチャレンジとはなるものの、利点もあります。グリーン氏は次のようにコメントしています。「私見ですが、テレビは完璧に細分化された状態だと思います。」幅広いCTVパブリッシャーとプラットフォームから、膨大な量のプレミアムコンテンツが提供されています。これは、消費者にとって大きな価値を生み出すだけでなく、市場全体で健全な競争と成長をもたらすものです。  

グリーン氏は次のように語っています。「プレミアムコンテンツがプレミアム価格を持ち続けるには、よりオープンなエコシステムが必要となります。それが唯一の有効な方法です。」オープンなエコシステムを維持する豊富なCTVマーケットプレイスを育む責任は、今やアドテクにあります。  

今こそ、不完全な過去のソリューションを乗り越え、テレビにおけるプログラマティック広告のメリットすべての実現に向けたイノベーションを実施するときです。CTVの機微に対応できる共通の識別子とプログラマティック基準を開発することで、アドテクプラットフォームは、既存の課題を克服するとともに、CTVプラットフォーム全体での到達度、頻度、アドレッサビリティを最適化するようマーケターを支援できるのです。  

オープンなマーケットプレイスは、メディアオーナーにはより大きなデマンドと収益機会をもたらし、マーケターにはコスト効果の高いPCMで精密な配信を実現し、消費者にはより良い視聴体験をもたらしてくれます。

上記は、活気に満ち、幅広い話題がのぼった対談の一部に過ぎません。是非、ウェビナー全編をご視聴ください。

Rachel Sullivan

Rachel Sullivan

上級コンテンツマーケティングマネジャー

レイチェル・サリヴァン(Rachel Sullivan)は、上級コンテンツマーケティングマネジャーとしてIndex Exchangeのコンテンツ、およびソーシャルメディア戦略を統率し、広告エコシステム全体でリーダーが業界を前進させるのに役立つストーリー、インサイト、ニュースの形成をサポートしています。Rachelはこれまでにさまざまな B2Bテクノロジー企業で、コンテンツとデジタルマーケティングの管理を行っており、代理店と企業側、両サイドの経験があります。プライベートでは、海外旅行、地元であるニューヨーク市街の散策を楽しんでいます。

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