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マーケターがFAST(無料広告付ストリーミングTV)に注目すべき理由 

2023年もストリーミングTVが、アップフロント取引の中心となりました。実際に、The Trade Deskのアンケートによるとマーケターのアップフロント購入の59%(英語)が、ストリーミングTVを占めているという事が明らかになりました。同様の傾向が、アップフロント購入に限らず企業のスキャッター購入まで広がっています。 

アップフロント購入は、注目を集め、引き続きストリーミングTVで重要な役割を果たすかも知れませんが、スキャッター購入も、メディア購入費の予算を判断する上で重要です。代理店は企業と協働して、今年のスキャッター購入の予算を最大限に活用するため、過小評価されている「無料広告付きストリーミングTV(FAST)」に目を向けています。 

消費者の人気を集める「無料広告付きストリーミングTVサービス」 

無料広告付きストリーミングTV(FAST)とは、具体的にどのようなサービスなのでしょうか?無料広告付きストリーミングTVとは、従来のリアルタイムに視聴するリニア型に近く、コンテンツの途中で広告が配信される無料のストリーミングTVを指します。Samsung TV PlusやLG Channelのような、TVのOSに予め搭載されているアプリ、またはスタンドアロン型のPluto TVやPlexと考えていただけると分かりやすいと思います。 

これらのサービスでは、現在さらに多くのサービスや追加オンデマンドコンテンツが利用できます。広告付きストリーミングTVが、非常に好調であるため、 Pluto TVの共同設立者はTelly(英語)というサービスの提供を開始しました。無料でスマートTVを提供する代わりに、TVの2つ目の画面にターゲティング広告を配信するというものです。 

無料広告付きストリーミングTVの視聴者数が急伸する米国では、2022年にTV視聴者の半数以上(英語)が、無料広告付きストリーミングTVサービスを利用しました。その理由の1つ目は、簡単に利用開始できることです。消費者は、クレジットカード情報を入力することなく、数多くの高品質なコンテンツを視聴できます。消費者は、ストリーミングサービスのサブスクリプション数や料金の上昇に伴い、無料オプションの利用を選択しています。 

2つ目の理由は、無料広告付きストリーミングTVは、ストリーミングにおける大きな課題である「コンテンツディスカバリー(コンテンツの発見)」を解決することです。従来のくつろいで視聴するTV体験を実現し、何を観るか迷うことなく、すぐに視聴開始できます。 

無料広告付きストリーミングTVの機会 

マーケターは、定着した(今後も増加し続ける)視聴者数を持つ、無料広告付きストリーミングTVがもたらす機会に注目しています。TVREV(英語)の調査結果では、無料広告付きストリーミングTVにおける広告費は、ケーブルTV、地上波、定額制ビデオオンデマンド(SVOD)を超えて、2025年までに340億ドルに達すると予測しています。 

広告付きストリーミング TVの広告費増加を表した図

現在の無料広告付きストリーミングTVは、多くの点において、初期のケーブルTVに似ています。番組の種類は、リアルタイムのニュースから、ジャンル別チャンネル、専門チャンネル、スポーツまで存在し、すべての人が楽しめるようになっています。現在では、1,400以上のチャンネルがあり、どの企業のニーズも満たせる数多くの広告在庫が存在します。 

かつて、リニアTVバイヤーが、スキャッター購入予算をケーブルTVに投資していたように、無料広告付きストリーミングTVにも同様のことが起きています。無料広告付きストリーミングTVは、企業が全てのオーディエンスセグメントに幅広くリーチできるため、バイヤーにとってはキャンペーンのリーチをより獲得するための良い方法でもあります。 

無料広告付きストリーミングTVとプログラマティックの組み合わせが、メリットをもたらす 

ケーブルTVとは異なり、無料広告付きストリーミングTVは、ダイナミックで細密なターゲティング、測定、最適化を含むデジタルとプログラマティックの全ての利点を持ち合わせています。プログラマティックでスキャッター購入を実行することは、キャンペーン予算の有効活用を実現します。メディアバイヤーは、市場で最も価値のあるアップフロント購入と、より費用対効果の高いスキャッター購入で、無料広告付きストリーミングTV全体で上手くバランスを取ることができます。 

バイヤーは、同じ規模で、プレミアムサプライ全体でより綿密にターゲティングされたオーディエンスにリーチできます。また、簡単、迅速にキャンペーンを調整でき、季節または新しくトレンドとなった番組に応じて予算を再配分することができます。 

一方で、大規模な無料広告付きストリーミングTV市場に戸惑いを感じるかも知れません。キュレーションされたインベントリパッケージが、プログラマティック取引に更なる効率性をもたらし、バイヤーは高品質で関連性の高いインベントリを大規模で購入できるようになりました。十分に精査されたプレミアムなダイレクトサプライで、マーケターには、ブランドセーフな環境に広告が配信されることを確実にします。 

バイヤーは、ジャンル、番組、コンテンツの年齢制限、デバイスなどのコンテンツシグナルを含む多くの要素を基に、インベントリをキュレーションでき、購買行動を簡易化するためのカスタマイズを提供します。ストリーミングTVが成長するにつれ、コンテンツシグナルの透明性(英語)は高まり、バイヤーに精密なターゲティングオプションを提供します。 

メディアバイヤーは、無料広告付きストリーミングTVの変化する視聴者傾向に合わせ、オーディエンスへのリーチを拡大する時です。広告代理店や企業は、規模を拡大して、プレミアムな環境で希望するオーディエンスにリーチしたいと考えるため、現在ほぼ未開拓の機会が、急速にメディアプランの主軸となるでしょう。 

Evan Krauss

Evan Krauss

事業開発SVP

イヴァン・クラウス(Evan Krauss)は、Index Exchangeにおける事業開発のグローバルSVPとして、代理店やブランドとの関係を統括しています。クラウスはやる気に満ち溢れたチームをリードしながら、マーケターと協力してオーディエンスを探し、ニーズを提供し、また、プログラマティックなサプライ関係の構築に努めています。 Index Exchangeの前はAOL、Yahoo!、Shazamを含むデジタルメディア界の企業で21年間に渡りプロダクト開発、ビジネス戦略の構築に携わってきました。また最近では、モバイル、ビデオ、およびネイティブ広告会社のプログラマティックの運営も助けてきました。 クラウスは根っからの起業家であり、スタートアップ企業から、フォーチュン500社まで、企業の規模に関わらず、ビジネス向けのチームやプロダクトを開発をしてきました。

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