現代の複雑なデジタル業界において、適切なオーディエンスにリーチすることは非常に重要であると同時に、今まで以上に難しくなっています。キュレーションは、プログラマティック広告に、正確で、効率的なアプローチをもたらします。また、無駄を省き、各インプレッションを有益なものにします。
キュレーションは、長きにわたり、プログラマティックバイイングの手段でしたが、成長し規模が拡大した業界に合わせてサプライ中心のアプローチへと変化しています。予測通り、この変化は業界のトレンドとなり、この新たなキュレーションの動きが、付加価値の創造を期待通り実現できるか議論が行われています。
この変化の背景には、いくつかの市場の条件があることを認識しておくのが大切です。アドレッサビリティに対する懸念は、より綿密なターゲティング機能の必要性を浮き彫りにし、パブリッシャーが保有するファーストパーティデータを活用する新しい機会を生み出しました。
同時に、マーケターは、キャンペーンの有効性を評価する中、購買プロセスに対して優れた透明性とコントロールを求めています。MFA(広告のために作られた)サイトと高品質な在庫に対する懸念が高まるにつれて、この必要性も高まりました。
しかし、キュレーションは、このような問題に早急に対処するだけではありません。
これは、デジタルメディアの取引方法において、より広範な枠組みの転換を示唆するものであり、サプライサイドの価値創造を強化し、取引を通じてすべての関係者にメリットを提供します。いずれのプログラマティックツール、または改善策にも当てはまりますが、期待通り実現できるか否かは、高い品質と透明性の基準を維持し、サプリチェーン全体で経済効率性を確保することにかかっています。
キュレーションの可能性を十分に理解するため、現在に至るまでの経緯を振り返りましょう。
広告ネットワークからキュレーションマーケットプレイスへの進化
初期のキュレーションは、広告ネットワークがコンテンツとオーディエンスを基にパッケージを作成するところから始まりました。プログラマティックバイイングの登場後は、データを駆使した戦略やディールを生み出し、マーケターはオーディエンスとコンテンツにリアルタイムにリーチ可能にしました。そして、ダイレクトセールスがプライベート・マーケットプレイスに移行し、バイヤーとセラーのより強力な関係性の構築を促しました。
やがて、プログラマティックの規模拡大に比例にして、DSPとマーケターに送信する入札リクエスト数も増加しました。ヘッダービディングの標準化により、これまでのウォーターフォール方式に比べ、公平な競争環境と競争力のあるオークションを実現しました。
メディアバイヤーは、より多くのメディア企業と膨大なディールを評価する必要があり、DSPは、効率性の管理とコスト管理という新たな課題に直面しました。これが、より高度なディールキュレーションの需要を高めました。バイヤーは、全ての広告機会に送信することを希望せず、その必要性もありませんでした。バイヤーは、広範囲にわたり、キャンペーンの成果を出せる関連性のあるインベントリ・ミックスを希望していました。
現在、キュレーションマーケットプレイスは、その需要を満たしています。
サプライサイドのキュレーションで価値を高める
これまで、キュレーションは主にDSPのの領域でしたが、今日ではサプライサイドにも広がっています。これによって、より有効なメディア費とより効率的な規模拡大が可能になり、業界全体にメリットをもたらします。
バイヤーのために最適化された成果
SSPがメディア企業としての役割を果たす中、オープンインターネット全体の在庫の全体を把握する立場にあります。SSPのインフラは、元々、膨大な量の入札リクエストに対応するために開発されています。その一方、DSPが、多数のSSPからのオークション機会を並行して評価するという課題に直面しています。サーバーの過負荷を回避するため、DSPは一般的に、SSPが送信できる1秒あたりのリクエスト数(1秒あたりのオークション数)に制限を設けています。
当社では、このような制約に対処することで、SSPは、インフラを活用して付加価値と規模を拡大し、DSPはマーケターの成果を効率的かつ持続的に最適化できるようになると捉えています。
キュレーションにより、バイヤーは、希望するDSPが、キャンペーン独自の目的に見合う、高品質で関連性のあるインベントリのみを確実に受け取れるようにできます。単純明快ですが、少数のオーディエンスをターゲティングする場合、ファネルの入口でインベントリの全候補から探すのと、様々なフィルターロジックやプロセス(通常、キャンペーン独自のニーズではなく、プラットフォームレベルのインプットに基づく)が既に適用されている、ファネルの末端を精査するのと、どちらを選ぶでしょうか?
メディア企業のための新しい機会
キュレーションは、バイヤーだけのツールではありません。メディア企業にも、変革的価値をもたらします。シグナルロスと競争の激化によって急速に変化する状況で、キュレーションはデマンドの増加と差別化を促すと同時に、透明性を提供し、メディア企業がインベントリと価格設定を完全に管理できるようにします。
また、バイヤーの優先事項や目標により近いパスをメディア企業に提供するため、メディア企業のインベントリの価値を高めます。バイヤーは、よくキュレーションを基に、多様なインベントリ全体で特定のオーディエンスにリーチします。規模は小さいが、興味を惹く、もしくはニッチなオーディエンスを持つメディア企業にとって、視認性を高めるための特に力強いツールとなり、多くのデマンドを惹きつけることができます。
キュレーションは以前より利用されていますが、その効果は、経済的な観点から、プラットフォームにより異なります。Index Exchangeで実践したアプローチは、Index Exchangeのマーケットプレイス(活用事例の一部として利用されています) の経済モデルをメディア企業と完全に一致させることです。当社は、メディア購入費を損失させる追加手数料を徴収することなく、メディア企業が常に受け取っているのと同じ収益シェアを確保します。サプライパートナーが収益を得る時のみ、当社も恩恵を受けます。ネット入札価格は変わらず、オークションは、より多くのデマンドで競争力を維持できます。
最近のキュレーションに関する話題の経済的メリットとリスクに、メディア企業が最も関心を持つのは当然のことです。ここで一言アドバイスをするとしたら、パートナー企業に対して適切な調査を行ってください。彼らの経済的なメリットがどこにあるのかを理解し、彼らが貴社と同様にビジネスパートナーシップに対して注力しているか見極めてください。
ソリューションプロバイダーのための効率的な運用とマーケット・アドレッサビリティ
キュレーターやソリューションプロバイダーは、すべてのDSP、代理店、メディア企業と連携する必要がないため、リソースの運用効率を大幅に改善できます。運用をさらにアップストリームで、一連化することで、関係者は大規模なインフラ投資をすることなく、ソリューションのメリットをすべてのDSPにまで提供できます。また、対立し合う戦略に対して、数多くの異なるプラットフォームに開発リソースの優先順位をつけることが、いかに困難であるかは明らかです。
バイヤーとトレーダーは、希望するDSP間で単一のディールIDを使用して取引でき、プログラマティックバイイングのプロセスを大幅に合理化し、市場が細分化している問題に対処できます。
プログラマティック・イノベーションを次のレベルに導く
キュレーションによって、SSPは、大規模なインフラ上にさらなる価値を構築し、規模拡大を促進できることが分かりました。そして、効率的コスト管理の下で運用すると、エコシステム全体のイノベーションを促すことにもなります。
キュレーター、リテールメディア・ネットワーク、データプロバイダー、代理店は、既にキュレーションマーケットプレイスを取り入れていますが、業界はまだ市場の可能性を探っている段階です。企業の新しいカテゴリ(その多くは広告をルーツに持ちません)は、自社のビジネス拡大に向けてキュレーションマーケットプレイスを利用し始めたところです。
しかし、 これは、エコシステムの健全性を確保する、土台となる標準をキュレーションに適用することにかかっています。キュレーションが機能するのは、サプライチェーンのすべての関係者に透明性と明確な価値が存在する時です。メディア企業に、より多くのデマンドをもたらし、ソリューションプロバイダーが新しい分野のビジネス成長を支え、マーケターに最適なメディアの結果を生み出します。
当社は、既に可能性が現実となるのを確認しています。約10年前のヘッダービディングの台頭のように、キュレーションは業界に大きな変化をもたらしています。容易な規模拡大、効率性の改善、ROIの向上により、プログラマティックにおけるどの変化より、予算が早くキュレーションに移行しています。 キュレーションは、既にトレンドキーワードではありません。キュレーションは、急速にエコシステムで高い価値を生み出し、圧倒的なキャンペーンの成果を出しています。また、プログラマティック広告に関しては、どんな話題の業界用語より「パフォーマンス」が重要視されます。
キュレーションのより詳しい情報や、Index Exchangeマーケットプレイスが、どのように新しいビジネス機会を切り拓けるかご確認ください。
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