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ライブ配信広告

ライブ配信広告のライフサイクル 

ライブ配信イベント時の広告配信の仕組み 決勝戦、大きな賞の授賞式、大統領候補の討論会*などのライブ配信イベントは、ストリーミングTVにおいて、各コマーシャル枠で何百万人もの視聴者に同時にパーソナライズされた広告を配信するため、複雑でリスクの高い広告プロセスを生み出します。   これはテレビ番組の中でも最も価値の高いもののひとつであり、関連性の高いプログラマティック広告とライブTVのダイナミックな体験を組み合わせるという、魅力的な機会です。しかし、この新しい機会にはライブTV特有の課題もあります。   ストリーミングTVにおけるライブ配信イベントの広告が、実際にどのように機能するのか、⁣順を追って説明しましょう。    まず、プログラマティック広告では、リアルタイムで広告が選択されるという事を理解しておくことが重要です。つまり、システムが各視聴者に最適な広告を、最適な瞬間に選択するということです。これにより、ライブストリーミングとオンデマンド視聴では、今までになかった複雑な状況が生じます。    大きな違いは、同時性です。オンデマンドコンテンツでは、⁣視聴者は異なる時間に視聴するため、広告のデマンドは分散します。一方、ライブ配信イベントでは、コマーシャルは必須であり、視聴者全員がまったく同じ時間に視聴しています。コマーシャルが流れ始めると、数百、数千、何百万人の視聴者を対象にした広告リクエストが同時に発生します。  ライブ配信の中には、選手がフィールドで負傷したり、タイムアウトが要求されたり、予定外のコマーシャルが発生することもあります。いずれの場合も、入札リクエストが急増し、プログラマティックのシステムに一気に殺到します。    ストリーミングTVにおけるライブ配信イベント広告の仕組み ライブ配信イベントの広告が配信されるプロセスを⁣段階を追って見てみましょう。   リクエストから広告配信までの全体のプロセスは、同時接続数が急増した場合でも、ミリ秒単位で完了するため、何百万人もの視聴者が中断されることなく、関連性の高い広告を見ることができます。    ライブ配信イベント時の広告の課題 ライブ配信イベントの広告は、他のストリーミング配信と同様のプロセスですが、ライブ配信イベントの複雑さと規模により、配信企業、マーケター、アドテクプラットフォームが、シームレスな体験を確保するために対処すべき課題をいくつか提示しました。    ライブ配信イベントでは、配信企業は視聴体験を守るために、ストリーミングを可能な限りリアルタイムに近づけたいと考えています。ストリーミングに遅延が生じると、視聴者は、画面上に再生される前に重要な出来事を耳にしてしまう可能性があります。この低遅延へのこだわりは、広告リクエストがほぼ瞬時に処理される必要があることを意味し、エラーが起こる余地はほとんどありません。   リスクが非常に高いのです。広告配信プロセスのわずかな遅延やエラーでも、ストリーミング全体に支障をきたす可能性があります。レスポンスが遅い、タイムアウト、クリエイティブファイルが存在しない場合、ストリーミングのクラッシュやスレート(広告がない場合に表示される静止画)を表示する原因となります。  最悪の場合、アドテクスタックの遅延がSSAIシステム全体の障害を引き起こし、配信が完全に停止する可能性もあります。   もう一つの課題は、クリエイティブが変化に追いついていないことです。広告は、スマートフォン、タブレット、スマートTVなど、さまざまなデバイスや異なるインターネット接続速度に合わせて、適応する必要があります。広告が、どこでどのように配信されるかに関わらず、すべての広告の見た目を保証することは、より複雑さを増します。   最後に、シグナリングの問題です。これは手動プロセスであり、メディア企業が、ライブ配信イベントの機会について、また、それがいつ発生するのかをバイヤーに、明確に通知することが難しい場合があります。   つまり、バイヤーはライブ配信イベントのスケジュールを事前に把握できない場合があり、価値の高いイベント中に、キャンペーンを配信する機会を逃す可能性があります。透明性の欠如は、バイヤーがビッドストリーム内でライブ配信イベントを識別するのをより困難にします。 ライブ配信広告のソリューション  アドテク業界は、ライブ配信イベント広告の課題に対処するため、新しいソリューションを開発しており、効率性と信頼性の向上に重点を置いています。これには、以下の内容が含まれます。    …

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GPID Hero Image

GPIDとプログラマティック広告にもたらす影響

GPIDとその仕組みについて オンラインで商品を比較していると想像してください。各店舗が、同じ商品に対して、それぞれ異なるコードや名前を使用しています。オンラインで価格を比較する際に、統一されたIDなしでは、同じ商品であるかどうか確認するのが難しくなります。 GPID(グローバル・プレースメントID)を導入する以前は、デジタル広告業界も同様の課題に直面していました。それでは、GPIDとその仕組み、また、プログラマティック広告に大きな変化をもたらした理由を解説します。 GPIDとは、プログラマティック広告プレースメントの標準IDです。これは、メディア企業により定義され、SSP全体で統一されています。メディア企業が、細かいレベルで特定の機会を発見でき、様々なプラットフォーム上の取引を検証するのに役立ちます。  GPIDは、UPC(ユニバーサルプロダクトコード・商品識別コード)のようなIDだと考えてください。UPCが、販売場所に関わらず、小売業や消費者が商品を識別可能にしているように、GPIDは、ウェブページやアプリ内の広告プレースメントを識別できるユニバーサルな方法です。    GPIDを利用せず広告プレースメントを購入する場合の課題 実際の取引場面で、GPIDがどのように機能するか理解するために、バイヤーがレシピサイト上で広告配信を考えていると想像してください。 GPIDが導入される以前は、バイヤーが、ビッドストリームで広告プレースメントを把握することはできませんでした。つまり、購入している広告枠の詳細を完全に理解できません。バイヤーは、特定のレシピのインプレッションに入札していますが、その広告がレシピの前に表示される広告枠なのか、レシピ内なのか、ページの下部なのか把握できません。 また、異なるサプライソース間で、広告プレースメントを比較するのは難しい可能性があります。例えば、複数のSSPから、レシピ内の同じプレースメントを確認している場合、入札の重複や無駄な支出につながります。このような不透明さは、エコシステムに関わるすべての人が、意思決定や、最適なサプライパスを見出すのを困難にします。   GPIDが透明性を高める仕組み GPIDが、透明性の欠如に、どのように対処するのでしょうか? メディア企業が、広告プレースメントにGPIDを実装します。そして、SSPはOpenRTB入札リクエストに含め、バイヤーに送信します。GPIDをOpenRTBプロトコルに含めることで、取引に関わる全ての人が広告プレースメントを明確に把握でき、比較できるようになります。   例えば、メディア企業の広告枠が特定のレシピページのヘッダーだとします。GPIDは、「/1234/RecipePage/ads#header」のようになります。   このGPIDは、SSPからDSPに送られる入札リクエストに含まれます。  例えば、アバブザフォールドの視認性の高いプレースメントに対して、バイヤーは入札を最適化することができます。さらに、バイヤーは、各インプレッションの真の価値を見極め、異なるSSP間で重複する機会を見分けられます。   メディア企業とバイヤーに対するメリット  GPIDは、サプライチェーン全体で透明性と効率性を生みだし、メディア企業とバイヤーの両者にメリットをもたらします。    バイヤーは、透明性あるGPIDにより、データに基づいた意思決定ができるため、より高いROIを実現します。特定の広告プレースメントについての、視認性のようなパフォーマンスメトリクス、またはクリックスルー率、完全視聴率を含む十分なデータが、高いパフォーマンスの在庫のメディア戦略を最適化するのに役立ちます。   SSP間でGPIDが統一されているため、バイヤーは、どのサプライパスが最適な価格・落札率でプレースメントを提供しているか判断できます。これは、バイヤーが広告機会に対する最適なパスを評価・最適化でき、異なるパスの同じ機会に重複して入札するのを防げるため、サプライパス最適化(SPO)で重要な役割を果たします。   メディア企業は、GPIDを取り入れることで、在庫の価値を高め、収益を向上できます。さらに、特別な製品や技術的な実装は必要ありません。バイヤーは、更に高い透明性を求めており、プレースメントレベルのデータを提供できるメディア企業と取引するようになっています。   …

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QPS Optimization Tyler Taylor

プログラマティックにおけるQPS最適化の重要性 

QPS最適化が重要な理由 プログラマティック業界は、過去10年間で目覚ましい成長と規模の拡大を実現しました。オープンインターネットは巨大であり、消費者は手元からデスクから、自宅の壁に設置されたスクリーンからインターネットに接続できます。    メディア企業に代わり、SSPはオープンインターネット全体を取り込み毎日何千億ものリクエストを処理します。この規模は拡大し続けており、効率性を維持しつつ、価値を提供することの重要性が高まっています。     この成長に適切に対処するため、DSPは、1秒毎のリクエスト数またはQPSに制限を設定し、効率性、サステナビリティ、クラウドコンピューティングのコスト管理に役立てています。しかし、現在のプログラマティック市場における変化に合わせてQPSが効果的に最適化されない場合、DSPやマーケターは機会損失を被ることになります。    QPS最適化について理解を深め、プログラマティック・エコシステムにおいて価値の最大化にどのように役立つかご説明します。 QPS制限とは まずは、基本から始めましょう。QPSとは何でしょうか?QPSは 「1秒毎のクエリ」を指します。プログラマティックでは、1秒間にSSPがDSPに送信する入札リクエストの数を意味します。  1日24時間、インターネット上で発生するすべてのアクティビティについて想像してみてください。概算で約1,000万QPSがあると想定しましょう。これは、DSPがすべてを処理するにはあまりにも膨大な数であり、特に複数のSSPと連携していることを考慮すると、なおさらです。   そのため、DSPはQPSに上限を設定し、1秒間にオープンインターネットからDSPが確認できるインベントリの総量を制限しています。インターネット上の1,000万QPSのうち、各DSPはビジネスニーズに合わせて、例えば100万~300万QPSのような、より低い制限を設定します。そして、制限以上のインベントリ数は確認できません。  最終的には、DSPは最も関連性の高い機会を最も効率よく受け取り、バイヤーに最大の価値を可能な限り効率的に提供したいと考えています。   DSPは、どのようにQPS制限を設定するか DSPが、QPSの制限をどのように設定するかは、各社のビジネスにより、少々複雑で、細かい違いがあります。それでは、考慮すべきいくつかの要因を見てみましょう。  まず、インフラの制限があります。機能や規模はDSPによって異なり、DSPが処理可能なQPS数を超えないように制限が設けられています。  次に、DSPは多数のSSPと連携しており、各SSPはそれぞれ異なるサプライの価値、効率レベル、パフォーマンスを提供しています。DSPはこれらの要因に基づいて、各SSPに異なるQPS制限を設けます。最もパフォーマンスが高く、効率的なSSPには通常、より高い上限が設定されます。  プログラマティックにおけるダイナミックQPS最適化の重要性  ストリーミングTVのような新しいチャネルの台頭により、異なるトラフィックパターンが出現する中、QPS制限の設定と決断の要因、およびその制限がどのように利用されるかは、変化する必要があります。ダイナミックなQPS最適化の重要性は、かつてないほど高まっています。   これを証明する例として、注目度の高いスポーツのライブ配信を考えてみましょう。  ハーフタイム中に広告が流れると、放送局の広告ポッドをすべて埋め尽くす入札リクエストが急激に増加し、広告で中断されずに試合が再開するとリクエストが急激に減少していることが分かります。ここで、DSPのQPS制限を表す10パーセンタイルの低い位置に一定のラインがあることを想像してください。この上限があるため、ハーフタイム中、DSPは入札リクエストの90%以上を見ることはありません。  インプレッション機会は、原則的に制限され、ピーク時にバイヤーがリーチできる世帯数や視聴者数が減少することになります。ハーフタイムが終了すると、DSPはQPS制限内で十分な余裕をもってすべての入札リクエストを処理できることが分かりますが、すでに手遅れです。DSPは、この配信時の入札リクエストすべてを評価する機会を逃してしまいます。   …

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Supply Chain Transparency

サプライチェーンの透明性:Ads.txt、Sellers.json、SupplyChain

プログラマティック・エコシステム全体におけるサプライチェーンの透明性の重要性 サプライチェーンの透明性は、ブランドセーフティを確保し在庫の品質を向上させ、悪意のある者がプログラマティック・キャンペーンのサプライチェーンに侵入するのを防ぎます。業界標準がプログラマティックサプライチェーンの透明性をどのように高めるのか見てみましょう。 IAB Tech Labは透明性を確保するため3つの標準を発表しました。それは認定デジタル販売者、つまりads.txt、 sellers.json、そしてSupplyChain objectです。これらの標準は、プログラマティックキャンペーンを保護しメディア企業の広告在庫の販売者に関する 重要な情報を提供します。 さらに重要なのは、これらが連携すると 特定の取引における個々のパブリッシャーまで、全ての関係者と全てのメディア費の完全な追跡が可能になることです。これらのツールは、サプライチェーン全体の透明性の全体像を把握するために、一緒に使用されることを意図していますがそれぞれ異なる目的があります。 まずは、認定デジタル販売者から見てみましょう。これには、ads.txtとapp-ads.txtが含まれます。これらは一般に公開されているファイルで、メディア企業が、どの販売者がデジタル広告在庫を販売する権利を持っているかを明示できるようにします。認定販売者IDを記載することで、ads.txtは、バイヤーが不正な在庫を回避し、認定済みの、承認されたソースからのみ購入していることを確実にするのに役立ちます。 ストリーミングTVでは、メディア企業が*インベントリ共有契約の下で消費者にコンテンツを配信する方法が多様であるため、さらなる複雑さが加わります。これらの関係性に対処するため、IAB Tech Labは ストリーミングTV専用に開発した、app-ads.txtの拡張版をリリースしました。 次は、sellers.jsonです。これは、*SSPまたは仲介者が管理する公開リストで、各プラットフォームで デジタル広告在庫の販売を許可された、全ての事業体についての*透明性を提供することを目的としています。各販売者の名前、ドメイン、パブリッシャーや仲介者などの役割を記載し、バイヤーが販売者と再販業者の正当性とサプライチェーンにおける立場を確認できるようにします。 最後に、SupplyChain object、つまりschainです。これは、元のメディア企業から最終的な購入者までの各入札リクエストの全ての取引経路を詳細に示します。販売または再販プロセスに関わる全ての事業体を含めることで、この標準は、バイヤーが取引経路の各関係者の正当性を明確にできます。 透明性を高めるツールの活用方法 …

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Picture of Jade

MFAと詐欺からプログラマティック・キャンペーンを守る方法

MFAサイトとサプライチェーンの品質について プログラマティックと自動取引が出現して以来、サプライチェーンの品質は常に重要視されてきました。AIが高度化し広告のために作られたMFAサイトが、普及した現在では、その重要性が増しています。 マーケターが、どのようにしてMFAや詐欺からプログラマティック・キャンペーンを守れるか見ていきましょう。 マーケターはキャンペーンが、ブランドに適した環境で配信されていることを確実にし、消費者にとってポジティブな体験になることを望んでいます。また、全てのインプレッションが、視認性の高い配置でボットに表示されないことを希望しています。  その一方で、MFAは、ボットが無効なトラフィックや偽のクリックを生成するような従来の詐欺ではありません。悪意のある者がトラフィックを購入し、視認性のような虚栄の指標を達成するために、高い広告密度や頻繁な更新を増やして、消費者体験を悪化させる、新しい詐欺の形態です。これらのサイトは、正当な価値のあるコンテンツを作成するためでなく、広告収益を生み出すために作られています。  10年前、私たちのエコシステムは同様の困難に直面しました。不正なパブリッシャーにより偽サイトとトラフィックが市場に氾濫しました。当時、私たちには現在のような明確な透明性に関する基準がありませんでした。 では、MFAやその他詐欺を防ぐための解決策はどのようなものが存在するのでしょうか?  sellers.jsonを利用してプログラマティック・キャンペーンを守る メディア企業やマーケターおよびアドテクプラットフォームは、品質を確保する役割を果たしています。最終的に、SSPはMFAサイトをエクスチェンジから削除し、その広告費を正当なパブリッシャーに投資する必要があります。また、メディアバイヤー自身もキャンペーンを守ることができます。マーケターは、プログラマティック・エコシステムにおいて重要な影響力を持ち、予算の配分先を慎重に選ぶことで、変化を起こせます。   つまり、プログラマティック広告を完全に避けることは、その高い効率性と価値を考えると現実的な解決策ではありません。 現在、プログラマティック・マーケットプレイスの透明性は今までになく向上しました。では、詳しく見てみましょう。 現在、各SSPは、 sellers.json(2019年にIAB Tech Labが策定したプログラマティック標準)を使いエクスチェンジを介して支払いを行う全てのメディア企業と仲介者を開示しています。これによりプログラマティックの関係者は料金の流れを広範囲に追跡できます。透明性を確保しつつ追跡できるフレームワークを提供しているのです。これは一般に、公開されているファイルです。例えば、Index Exchangeのファイルは、indexexchange.com/sellers.jsonで確認できます。 この標準とads.txtやSupplyChainオブジェクトのような、透明性ツールを活用すれば、MFAサイトから在庫の購入を回避できます。SSPのsellers.jsonファイルには、会社名やドメイン、セラーIDおよび在庫の種類と共にメディア企業が記載されています。したがってsellers.jsonを参照すれば、入札リクエストに関与するすべてのセラーをドメインレベルだけでなく、ルートパブリッシャレベルで確認できます。 これは新しいドメインが出現するたびに、MFAを回避するのに役立ちます。個々のドメインよりもルートパブリッシャを検証することで、効率的に識別するのに役立ち、MFAをサポートするセラーを排除できます。 また、近年一般的になっているMFAサブドメインを排除するのにも有効です。これらは正当なプレミアムパブリッシャーであり、セラーがMFAサブドメインを運営することを許可し、MFAコンテンツをより正当なものに見せかけ隠蔽しています。このサブドメインは、パブリッシャーでなく、MFAに特化したセラーによって運営されている場合が殆どで、個別のドメインではなくセラーの排除に焦点を当てることは、リスク軽減につながります。 プログラマティック・キャンペーンを守るためにSupplyChainおよびads.txtでsellers.jsonを参照 …

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Live Event Streaming

ストリーミングTVにおけるライブ広告の特徴

ストリーミングにおけるライブイベント広告について ライブストリーミングにおけるプログラマティックには、ビジネス上および技術上の課題が残っており、マーケターやメディア企業が、この大きな機会を最大限に活かせていません。 ライブストリーミング番組にはさまざまな種類があり、プログラマティック広告において考慮すべきことが異なります。 ストリーミングは既に、ウェブやモバイルとはまったく異なる、新しいプログラマティックの方向性を示しています。ライブイベントは、さらにその傾向を強めています。 まず、視聴者はリアルタイムで観ることを好むため、一般的に視聴率が高くなります。この貴重なインベントリを利用しようとするマーケターは、キャンペーン(英語)に取り入れるために事前に計画を立てます。  ライブ環境でのコマーシャル枠は、常に事前に設定できません。ニュース速報やスポーツ中継の延長戦を想像してみてください。他のライブストリーミング機会と比較して、独自のトラフィックの傾向と要件があります。  ストリーミングにおけるライブイベント広告の課題 現在、プログラマティック入札リクエストに、ライブインベントリを示すライブストリーム・アトリビューションがあります。しかし、これはライブストリームとライブイベントの両方を含み、ライブで放送されているもの全てを示します。 広告機会が、リアルタイムで放送しているライブイベントなのか、事前に録画してライブ配信している番組であるのかを見分ける柔軟性のある方法がありません。また、ライブイベントのより詳細な情報を事前に共有し、バイヤーがより良いキャンペーン計画を立てられるような発展した方法もありません。 では、違いと課題について詳しく見てみましょう。 一般的に、ストリーミングはプライムタイム(英語)視聴スタイルに沿っています。ほとんどのタイムゾーンで、午後8時から11時の間に視聴者数が顕著に急増します。このパターンは、簡単に予測可能です。 録画済みのライブストリーミングコンテンツ(英語)も、通常はこのパターンに従います。しかし、ライブイベントはより複雑で、急激なデマンドの増加を引き起こします。 視聴者数は、はるかに多いです。つまり、同時視聴者数とトラフィックの量が大幅に異なります。また、コマーシャル枠の開始時間や終了時間が事前に設定されていないこともあります。例えば、バスケットボールの試合中にコーチがタイムアウトを取り、中継がコマーシャルに切り替わるような場合です。  そこで、コマーシャル枠が発生すると、多くの広告リクエストが同時に発生し、その結果、DSPへの1秒毎のリクエスト(QPS)が急増します。現在のDSPのペーシングアルゴリズムは、ウェブ用に構築されているため、このような非常に価値が高い、一瞬のイベントに対して、必ずしも完璧に正しい判断ができるとは限りません。これは、エンゲージメントの高い視聴者にリーチする機会を逃すことになりかねません。 今日のメディア企業は、プログラマティックのデマンドが番組の序盤に集中し、後のコマーシャル枠が埋まらず、収益化されないことがよくあります。バイヤーは、どのような機会が活用可能かを事前に把握し、イベントについて把握している事と照らし合わせる必要があります。そうすることで、この貴重なサプライを予測し、ターゲティングし、最適化できます。 誰でも成功するためには、解決すべき課題が多く存在します。そして、ライブストリーミングのインベントリの多くは、まだリニア購入の習慣に留まったままです。  今後の目標 最初の基本的要素の一つは、プログラマティックで、ライブイベントがいつ発生するのか明示することです。これは、OpenRTBのコンテンツオブジェクトに、ライブイベントのインベントリと、他のライブストリームの機会を区別するアトリビューションを追加することで実現できます。 これは、メディア企業が、ライブイベントのインベントリを明確にシグナリングする第一歩であり、最終的には、イベント全体のフィルレートを向上することを目的としています。また、バイヤーとそのDSPに対して、ライブイベントのための入札リクエストであることを⁣より明確に示すことになり、キャンペーンの入札方法とペーシングを検討する際に、異なるアルゴリズムを活用できる可能性があります。  ライブイベントとプログラマティックのパフォーマンスを⁣より向上させるためには、まだ長い道のりがあります。 …

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How Curated Marketplaces Add Value - Index Explains

キュレーションマーケットプレイスが広告エコシステムにもたらす価値

キュレーションマーケットプレイスとは キュレーションは、既存の接続やインフラを活用して、エコシステム全体のメディア企業からバイヤーまで、さらなる効率性をもたらします。また、現在のマーケットプレイスでは、より一般的になっています。 まず、キュレーションマーケットプレイスとはどういうものか見ていきましょう。キュレーションマーケットプレイスは、カスタマイズされたマーケットプレイスでデータや貴社独自の強みをカスタマイズしたメディアのプレミアム・インベントリと組み合わせたものです。 広告のキュレーションは、新しいものではありませんが、時代とともに進化しています。  黎明期において広告ネットワークは、コンテンツやオーディエンスに基づいてパッケージを作成していました。業界が進化するにつれ、プログラマティック・バイイングがデータを駆使した戦略とディールを可能にしました。 そして、ダイレクトセールスがプライベート・マーケットプレイスに移行し、バイヤーとセラーのより強力な関係性の構築を促しました。やがて、バイヤー向けのディールとパブリッシャーが拡大するにつれてディールキュレーションの需要が高まりました。 現在、キュレ-ションマーケットプレイス内に構築したインフラが増加したデマンドの対応に役立っています。  元来、キュレ-ションマーケットプレイスは、既存のプログラマティックのインフラ上に存在するもので、運用の負担を取り除くものです。また独自の価値を提供し、効率と拡張性を生み出し、品質維持にもつながります。エンドバイヤーやトレーダーのワークフローを簡易化するため、キュレ-ションマーケットプレイスのあらゆる価値や複雑さがディールIDへと集約されます。そして、ディールIDは、SSPによりDSPへシグナリングされます。 現在、様々な種類のキュレ-ションマーケットプレイスが現れています。これには、以下の内容が含まれます。 こうした各企業すべてが簡易的なキュレーションによって、メリットを得られます。キュレーターは数多くのメディア企業と接続する必要がありません。また、様々な代理店やDSPとの接続も不要です。 その代わりに、キュレーターはデータやサービスを活用して、プレミアムサプライと組み合わせられます。そして単一のディールIDに置き換えることができるのです。バイヤーは、そのディールIDを用いて取引を行えます。キュレーションマーケットプレイスのインフラは、運用面の大きな負担を取り除き、規模拡大を迅速かつ簡易化してくれます。 キュレーションマーケットプレイスは、エコシステムにどんな価値をもたらすのでしょうか?   メディア企業は、メディアバイヤーやマーケターとのパートナーシップを強化し、新たなインフラの構築を必要とせずにより多くのデマンドを得られます。広告プレースメントと消費者体験をより細かくコントロールできます。  マーケターは、より効率的で高い費用対効果で直接サプライにアクセスできます。つまり、より優れたターゲティングと広告の適合性を意味します。これにより、キャンペーンパフォーマンスが向上し、ブランドの安全性と透明性が確保されます。 重要なことですが、業界全体においてキュレーションがサステナビリティの改善(英語)を促しています。 デジタル広告業界は、世界全体の二酸化炭素排出の3.5%(英語)を占めています。キュレーションマーケットプレイスは、統合したサプライパスをもたらします。つまりサプライパスのホップ数が減り、より効率的な入札機会が増えるのです。 これによって無駄なリクエストが減り、処理に必要な電力消費を抑えることができます。継続的にプログラマティックのインフラを再構築するのではなく、キュレーションは既存の接続を活用し新しい取引を導きます。 サプライ側から見てキュレーションマーケットプレイスを活用することには、どんな価値があるのでしょうか? DSPにはQPS(1秒ごとに処理できるリクエスト)に、上限または制限があります。つまりオープンウェブで見える利用可能な在庫にフィルタリングが行なわれています。これまで以上に、現在の市場ではサステナビリティの重要性が高まっている中で、無駄な処理と電力消費を防ぐため非常に重要なことです。 その一方で、SSPはサプライチェーンに真っ向から対峙します。サービスを提供するパブリッシャーは、すべてのリクエストを確認する傾向があるため速度が落ちることはありません。 …

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What is Pair? Index Explains

PAIRとは 

ファーストパーティデータのソリューション「PAIR」について サードパーティクッキーの廃止が近づくつれ、私たちの業界では、向上したプライバシー重視のアプローチを実施する機会が与えられています。IDベースと非IDベースの様々なソリューションがすでに出現しています。「PAIR(P:パブリッシャー、A:広告主、I:識別子、R:照合)」は、アドレッサビリティをとりまく環境で比較的新しく導入されたソリューションです。   PAIRは、GoogleのDV360 DSPで初めて採用され、クリーンルームを活用してメディア企業とマーケター間のファーストパーティデータを一致させるソリューションです。最近では、Googleは、IAB Tech Labと協働し、このプロトコルをオープンソース化し(英語)、広告業界で幅広く利用できるようにすると発表しました。    PAIRは、クリーンルームを活用してメディア企業とマーケター間のファーストパーティデータを一致させ、ウェブからストリーミングTVまで全てのチャネルにおいて、パーソナライズされたプライバシー重視の広告を可能にします。ここでは、メディア企業から入手可能な決定論的IDを使用します。    既知のオーディエンス、またはファーストパーティデータが利用可能な  オーディエンスにリーチすることを目的としており、 マーケターが、過去の購入者のような関心意欲が高いオーディエンスにエンゲージする方法を提供します。つまり、消費者は既につながりがあったり、情報を共有しているブランドからの広告しか見ないことになります。    PAIRは、メディア企業やマーケターからのファーストパーティデータに基づく決定論的認証IDソリューションであるため、クッキー廃止後の世界では、その用途はさらに広がるでしょう。   PAIRの仕組み   文字通り、メディア企業とマーケターがオーディエンスをペア(一致)できるように開発されています。メディア企業が保有する認証されたサービス加入者リストと、マーケターが保有する顧客リストを例に考えてみます。この2つのオーディエンスリストは暗号化され、クリーンルームを使って照合することができます。   例えば、私がストリーミング・プラットフォームにログインし、新作映画を観ているとします。 加入者である私のアカウントには、プラットフォームと共有することに同意したため、メールアドレスや電話番号などのデータが含まれています。また、私がお気に入りの靴ブランドのリピーターで、そのブランドのメールリストに登録しているとしましょう。   PAIRを使えば、私がこのストリーミング・プラットフォームで映画を観ている間に、その靴ブランドは、私を特定できる情報(PII)を公開することなく、またクッキーやデバイスIDに依存することなく、新しいスニーカーの広告を配信できます。   PAIRは、これらのファーストパーティ識別子やハッシュIDを一切使用せず、例えば「ID123」として私を識別しません。その代わりに何百、何千、何百万人もの顧客のビッグデータが存在し「この一致したIDは、キャンペーンのターゲットに合致します」というように確認できます。   ワークフローを詳しく見てみましょう。   PAIRが今後もたらす可能性  PAIRにより、マーケターがプライバシーを保護しながら、決定論的一致とパーソナライゼーションの価値を得られるようになります。デバイスを越えて機能するため、ストリーミングTVにおけるアドレッサビリティに大きな可能性が生まれます。ストリーミングTVでは、急速に普及が進むでしょう。   …

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What are MFA Sites? - Index Explains

MFAサイトとメディアに与える影響

MFAサイトについて  MFAサイトが横行するにつれて、プログラマティック業界は、以前に増してMFAに対処する必要性に直面しています。MFAサイトがパブリッシャーと広告市場にどのような影響を与えるか見ていきます。   MFAサイトとは、広告アービトラージのみを目的として作成されたウェブサイトです。これらのウェブサイトは、広告スペースを販売するよりも、安く購入したトラフィックソースを通じて積極的にトラフィックを生成することに注力する、広告アービトラージとして知られている慣行です。 基本的に、これらは広告で溢れたウェブサイトであり、正当なパブリッシャーが制作した質の高いコンテンツやジャーナリズムが存在しません。20ページにも及ぶ広告だらけのウェブサイトにアクセスしたことがある人は、おそらくMFAサイトを経験したことがあるでしょう。      MFAはプログラマティック広告とそれを支援しようとするパブリッシャー業界の基盤そのものを蝕んでいます。   一方、MFAサイトは「詐欺」や「無効なトラフィック」に分類されないことに注意してください。MFAサイトは、実際の人間に見えるインプレッションを購入します。すなわち、厳密に言うと視認可能な在庫に見えるのです。場合によっては、検出を回避するために欺瞞的な戦略を展開することさえあります。例えばMFAドメインは、広告が溢れるユーザー体験が悪いウェブサイトのサブドメインにトラフィックを誘導しますが、ルートドメインは正常に見えます。 そのため、マーケターは実際のウェブサイトで実際のオーディエンスにリーチしていますが、それには、悪いユーザー体験が伴い、大抵の場合、エンゲージメントの時間が非常に短いのです。基本的に、マーケターは消費者行動にほとんど影響を与えない広告に投資しています。   全米広告主協会の2023年の報告(英語)によると、プログラマティック広告に費やされた880億ドルのうち23%が無駄になっており、損失した広告費は約200億ドルでその大半はMFAに使われたものです。 なぜ業界はMFAを排除しないのか? MFA排除の取り組みの第一歩は、「MFAサイトとは何か」を正確に定義することです。現在、業界全体で合意された定義はありませんが、4つの主要な広告業界団体のコンソーシアムがそれを是正したいと考えています。 全米広告主協会(ANA)、米国広告代理店協会(4A)、世界広告主連盟(WFA)、英国広告主協会(ISBA)は、共通する特徴について合意しています。   MFAサイトとして定義(英語)する条件:   一部では、MFAを「広告」ではなく、「アービトラージ」のために作成されたという意味に再定義することを提唱しています。広告アービトラージを通じて、プログラマティックの収益を意図的に最大化するウェブサイトに焦点を当てるよう促しています。    業界全体で、MFAを回避するために除外リストの作成に取り組んでいる企業もあります。しかし、ほとんどのサイトがアービトラージを行っている一方で一部のメディア企業は誤ってMFAに分類される場合があります。アドテクプラットフォームは、パブリッシャーを厳密に審査し誤って分類されないようにすることが重要です。 MFAが完全に排除されていない、もう一つの理由は収益が魅力的なためです。一部のアドテクプラットフォームにとって、排除するための十分な動機にならない場合があります。同様に、バイヤーは虚栄の指標に基づいて安価なメディアを購入するよう奨励されることが非常に多いのです。  プログラマティック市場には、かつてないほどの透明性があります。一方で、企業はsellers.jsonのようなツールを活用(英語)する必要があります。sellers.jsonは、プログラマティック市場のセラーを検証し、MFAを排除してKPIの達成を過度に追い求めるのではなく、確かなビジネス成果を重要視します。 残念なことに、エコシステムはループに陥っています。SSPは、MFAサイトをプライベート・マーケットプレイスやキュレーションされた在庫から削除するかもしれませんが、MFAがエクスチェンジ上に存在する限り、バイヤーを惹きつけてしまいます。バイヤーが購入し続ける限り、MFAは存在し続けるでしょう。    この悪循環は、非効率的で無駄な支出につながるだけでなく、効果のない広告を配信するために必要な無駄な電力消費にもつながります。    MFAを排除するために、業界で実行できること MFAサイトは、パブリッシャー業界や正当なパブリッシャーの信頼性全般を損ないます。トラフィックアービトラージとMFAサイトは、パブリッシャーではなく、プログラマティック・サプライチェーンに属さないという考えを一致させる必要があります。   …

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IAB Tech Lab対談:新しい動画プレースメントガイドラインについて

会話内容 この動画は、当初2023年8月17日に公開されたものです。コンテンツ連動型、コンテンツ非連動型/単独、インタースティシャル動画広告は、デフォルトで音声なしで再生することがベストプラクティスであり最も一般的な方法であると明示するため、2024年4月23日に更新いたしました。 タイラー・テイラー(Tyler Taylor):ご存知かと思いますが、IAB Tech Lab(英語)は、様々な動画広告プレースメントをより具体的に定義するために、動画広告フォーマットのガイドラインを更新しました。Index Exchange セントラルオペレーション・エクスチェンジグロース シニアディレクターのタイラー・テイラー(Tyler Taylor)です。今日は、IAB Tech Labのプログラマティック・プロダクト管理ディレクター、ヒラリー・スラッテリー(Hillary Slattery)と新しいガイドラインで何が変更されたのか、ウェブ全体の動画在庫の透明性や精度をどのように改善するのかについてお話します。 IAB Tech Labが、動画プレースメントのカテゴリを定義することにした理由について教えていただけますか? ヒラリー・スラッテリー(Hillary Slattery):はい、もちろんです。お招きいただき、ありがとうございます。動画広告市場は、過去数年で着実に進化してきました。特に、ストリーミングTVにおいて急成長しています。私たち、消費者が動画広告エクスペリエンスに慣れたことに伴い、マーケターは動画が最もエンゲージメントが高く、効果のある媒体であると理解しています。 動画が様々な画面上で表示されるようになるにつれ、より効率的に、綿密にターゲティングする必要性を感じています。 小さい動画プレイヤーがコンテンツなしで、広告を再生することは、以前はアウトストリームとして認識されていました。そこで、マーケターは残りのカテゴリをインストリームとし、大きいフォーマット、フルアテンション、OTTスタイル動画コンテンツ用に確保していました。一方、インストリームの従来のOpenRTBの定義は大まかなものでした。すなわち、メディア企業間で動画機会がどのように表現されているかにより、異なりました。そのため、バイヤーは何に入札していて、自社ブランドがどのように視聴者に表示されるのかが、明確ではありませんでした。 …

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