クッキー廃止後のアドレッサビリティソリューション

Mike McNeeley, 製品担当上級バイスプレジデント
今日のアドレッサビリティの状況は常に変化しています。消費者は自分のデータについてより高い透明性とコントロール性を求めています。GDPRのような規制は進化し続けておりテックプラットフォームは、サードパーティクッキーとデバイス識別子を制限しています。

これらの変化は、マーケター、パブリッシャー、アドテクプロバイダーが、オーディエンスとアドレッサビリティを考慮する方法に根本的な変化をもたらします。Index Exchangeの製品担当上級バイスプレジデント、マイク・マックニーリーが、今後のアドレッサビリティに備える方法についてお話します。

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プライバシー優先のアドレッサビリティソリューション

サードパーティクッキーは、Safari、Firefox、 Edgeなどのブラウザで既に制限されています。Google Chromeは、2024年までにクッキーを完全に廃止する予定です。これは、私たちが知っているようなクッキーの終焉を告げるものであり、私たちが現在利用しているアドレッサビリティへの比較的単純で不完全なアプローチを終わらせるものです。 

私たちの業界には、強化されたプライバシー優先のアプローチを採用する機会がもたらされ、さまざまなIDベースおよび非IDベースのソリューションがすでに登場しています。ここで明確にしたいのは、正解は一つではないという事です。ポストクッキー時代のアドレッサビリティにはさまざまな形式があり、あらゆるチャネルやオーディエンスタイプに対応するソリューションを組み合わせた、より確かなアプローチが必要になるでしょう。 

それでは、各アドレッサビリティソリューションを見ていきましょう。 

認証ID

認証ID(英語)は、消費者が同意の際に、ログインデータ、メールアドレス、または電話番号のいずれかを選択でき、それを利用し暗号化されたオンラインIDが作成されます。 

認証IDは個人のログインに紐づけられるため、マーケターは、IDプロバイダーによってはスマートフォン、ノートPC、さらにはコネクテッドTVなどログインしているデバイス全体でオーディエンスにリーチすることができます。マーケターは、現在のアプローチを根本的に変更する必要はなく、人ベースマーケティングのあらゆる利点を享受することができます。それにはデバイスをまたいだ視聴者へのリーチ、個人レベルのフリークエンシーキャップ、デバイスを横断した測定とアトリビューションなどが含まれます。The Trade DeskのUnified ID 2.0やLiveRampのRamp IDは、これらのIDの一例です。また、安全なデータ共有を可能にするクリーンルーム・ソリューションも登場しています。

未認証ID

次に、未認証のオーディエンス、またはログインや同意しないことを選択したオーディエンスに対する最適化に話を移しましょう。現在は、3つのパスがあります。1つ目は推定IDです。これはデバイスレベルの確率的推論やその他のシグナルを使用して、ブラウザ上で訪問したサイトと消費者を関連付けることができます。次に、パブリッシャーのファーストパーティデータです。今日のプライバシーを重視する状況において、その価値はますます高まっています。そのソリューションの1つがIAB Tech LabとPrebidのSeller Defined Audiencesです。まだ導入の初期段階ですが、このソリューションは標準化されたタクソノミーを提供し、拡張性のあるクロスサイト・ターゲティングを可能にします。その他にも、消費者の閲覧行動に基づいたインテントデータや興味や意図をシグナリングできるコンテクスチュアルマーケティングがあります。マーケターは、関連性のあるコンテンツシグナルを基にオーディエンスにリーチできます。 

そして最後に、Googleプライバシーサンドボックスです。これは、クッキーベースの広告に代わる一連のAPIです。Googleは、単にクッキーを無効にするのではなく消費者のプライバシーを保護しながら、コンテンツ制作者にとって効果的な広告を維持するための新しいソリューションを開発してきました。現時点での主な欠点は、これらのソリューションがFirefox、Safari、Edgeのブラウザ環境のニーズに対応していないことです。 

各サンドボックスのAPIについて見ていきましょう。 

  • Protected Audience APIは、匿名化され、特定されないオーディエンスグループのインタレストグループを作成し、広告オークションを安全なブラウザ環境に移行することで、オーディエンスのカスタムとリマーケティングを可能にします。 
  • Topics APIは、消費者の最近の閲覧を基にした、興味ベースの広告を可能にします。ブラウザは、特定の消費者データを開示することなく関連性の高い広告を提供するために、関心に基づくカテゴリを推測します。これは、最適化と高度なターゲティングに利用できます。 
  • Attribution Reporting APIは、暗号化、遅延、データの集約とランダム化などの機能を利用して、マーケターがサイト間での特定の消費者のアクティビティを追跡したり、個人データにアクセスしたりすることなく、広告のパフォーマンスを測定できるようにします。 

クッキー廃止後の未来 

このような新しいソリューションとアドレッサビリティの将来(英語)には、どのような影響があるのでしょうか? 

今後、アドレッサビリティの世界では、適応性と柔軟性がすべてとなるでしょう。貴社のニーズによっては、ビジネスの目的、チャネルの焦点、各地域のプライバシーポリシーに合ったソリューションのポートフォリオが必要になるかもしれません。 

アドレッサビリティの状況は大きく変化しており、今後もさらに複雑になります。サードパーティクッキーを使った簡単なプログラマティック広告の購入は不可能になるでしょう。 

積極的に行動し、新しいソリューションのテストを今すぐ開始しましょう。今行動を起こすことは、マーケターが望む視聴者にリーチでき、パブリッシャーがコンテンツを収益化でき、消費者はプライバシーをコントロールできるより良いデジタル広告エコシステムの未来につながります。

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