FreeWheel対談:OpenRTB 2.6でより優れたストリーミングTV広告へ  

David Dworin, Chief Product Officer, FreeWheel
Andrew Casale, 最高経営責任者(CEO)
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メディア企業、バイヤー、視聴者にとってストリーミングTVの広告エクスペリエンスを最適化するためには、何が必要でしょうか?Index Exchange 最高経営責任者(CEO)のアンドリュー・カサーレ(Andrew Casale)とFreeWheel 最高プロダクト責任者のデイビッド・ドゥオーリン(David Dworin)が、業界標準であるOpenRTB 2.6を採用後のストリーミングTV広告の進化について話し合いました。より優れたTVコマーシャル枠を構築する方法や、ストリーミングTVのプログラマティック広告の今後について対談しました。  

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会話内容 

アンドリュー・カサーレ(Andrew Casale):ストリーミングTVが著しく発展する中、プログラマティック広告エコシステムが革新的なソリューションとその導入に向けてすばやく移行し、市場規模の拡大と視聴者の広告エクスペリエンス向上を同時に実現しています。 特に業界標準であるOpenRTB 2.6が、効率、パフォーマンス 視聴者の体験を改善することを目的としてフレームワークを提供しました。 

アンドリュー・カサーレです。Index Exchangeの代表取締役兼CEOです。本日は、デイビッド・ドゥオーリンにお越しいただきました。FreeWheel(英語)の最高プロダクト責任者です。本日はストリーミングにおけるTVコマーシャル枠の改善についてお話します。 

デイビッド・ドゥオーリン(David Dworin):こんにちは。お招きいただきありがとうございます。 

アンドリュー・カサーレ(以下AC):ご出演ありがとうございます。これまでプログラマティック広告において、業界標準は成長に伴って発展してきました。同様のことが、急速に成長する当チャネルで、ストリーミングTV広告とOpenRTB 2.6の標準でも起きています。幸いにも標準が確立され、FreeWheelは、最も早くに採用した企業の1つです(英語)。まずOpenRTB 2.6は、御社にとってどのようなものか伺います。 

デイビッド・ドゥオーリン(以下DD):当社で解決しようとしている大きな問題をまとめるとすれば、既存のプログラマティック広告における標準が、ストリーミング用に作られたものではなかったということです。ディスプレイ広告向けに作られたもので、時間ではなく配置の最適化を行うものでした。ページやアプリ上で表示する広告を様々な広告の中から選別します。つまり、各入札リクエストは、ページ上の1つの広告枠に対して行われます。 

しかし、ストリーミングでは異なります。ストリーミングでは、1つもしくは複数の広告ポッドがあり、同時に決断を行います。そうした場合、古い標準を上手く活用する必要性が出てきます。30分間、1時間、1本の映画など、広告ポッド全体で構成し直す過程で、1つの決断を行います。接続している様々なDSPとSSP、ヘッダー入札者にも送信します。また、それらの企業がその他企業にも送る場合があります。 

最終的に、何が起こるかと言いますと、例えば、当社が2分の広告ポッドを引き受け、それを30秒で4本の広告、もしくは30秒で2本の広告と15秒で4本の広告に分割します。しかし現行、もしくは古い仕様では、インプレッション機会の度に、それぞれの入札リクエストを作成する必要がありました。つまり単一の決断に対して、数十件の入札リクエストを送信し、さらに、業界全体に入札リクエストを通知することで、様々なバイヤーと様々なデマンドサイドのプラットフォームに送信されるので、数百件の入札リクエストとなります。 

当社が、2.6で最も素晴らしいと考えていることは、当社で送信する必要がある入札リクエストの数を圧倒的に減らしてくれることです。TVコマーシャル枠に関する情報を伝達するのに、プログラマティック広告エコシステムのパートナー企業に対して、単一のリクエストを送信するだけで済みます。さらに、当社に対して様々な種類の広告を送信できます。そこで、当社がパブリッシャーに対して 決断を下すことができます。  毎回、それぞれの入札レスポンスを各社からまとめる代わりに、各社から返ってきたレスポンスを一覧で確認できます。  

AC:つまり2.6は、最後のストリーミング・プログラマティック広告の活用法であり、新たな時代の始まりということですか? 

DD:新たな時代の始まりですよね。どんなものであれ、新たな活用方法を誰かが見出して、必ず実行されますよね。次にどんなことに発展するにせよ、少なくとも現状の問題は大幅に解決されました。 特に大きな問題の1つで、他にも現在のプログラマティック広告の実装における問題はたくさんありますがね。  

AC:素晴らしいですね。OpenRTB 2.6を使い続けるにあたって、細かい話を伺います。すでに少し触れていただきましたが、こうした変更により、どんな大きなメリットが得られるのでしょうか。また、それほどメリットが感じられないこともあるのでしょうか。サプライサイドからDSPに至るまで誰もが、2.6の標準を採用すべき理由は何でしょうか?  

DD:そうですね、2つほどメリットをお話します。お話した問題で明らかなことは、送信が必要な数百件の入札リクエストが単一のリクエストにまとめられることです。 取引ごとや自由な分類方法で、単一のリクエストにまとめられます。その一方で、必要なトラフィック量は大幅に抑えられます。 

効率性に関しても大きな改善が見られます。サステナビリティの観点からも、大きく向上されました。あらゆることが改良され、簡単かつ迅速にメリットが得られます。  

もう1つ、現在のDSPについて話しますと、多くの場合、個別の入札リクエストであるかのように、全ての各入札リクエストにレスポンスしています。つまり、一つにまとめた広告をストリーミングに提供する方法を理解していないのです。広告ポッドに対して独自の判別アルゴリズムを構築できないということです。取引に関わる全ての企業が、2.6で実現できることは、プレイリストの提供方法や複数のレスポンスを提供する方法を考え始められることです。  

また、これはバイヤーにとってメリットをもたらします。バイヤーは希望する配置に、より多くの広告を表示できるようになるからです。 パブリッシャーにとっても、多様なデマンドを受けられるというメリットがあります。  

視聴者は、ストリーミングTVで同じ広告を繰り返し見るという経験をしているので、新しい広告を見られるのは良いことです。カナダにもストリーミングTVはありますか? 

AC:もちろん、あります。広告の種類が豊富でないと、こうした問題を抱えることになりますね。 

DD:そうですね、様々な広告があるといいですね。常に見る広告に関して、人それぞれ異なる体験があります。広告に多少のバラエティがあってもいいでしょう。 

AC:非常に効果的になり、視聴者にとっても良いことですね。 

DD:視聴体験も向上されますし、キャンペーンを実施するバイヤーにもメリットがあります。メディアを収益化しようとするパブリッシャーにとってもメリットをもたらします。誰にとっても利益があります。  

AC:消費者の広告エクスペリエンスの改善について少しお話しましょう。業界全体が目指している、理想の状態とは、どのようなものでしょうか?エンドユーザーにとって、より良いTVコマーシャルとは どういったものでしょうか? 

DD:これは興味深い質問ですね。FreeWheelに勤務してしばらく経ちますが、働き始めた頃に、このことについて多くの調査を行いました。視聴者体験のリサーチ(英語)です。「何が原因でユーザーが離れるのか?」や「イライラして広告視聴を止めてしまうのは、どんなタイミングなのか?」ということです。視聴者体験のリサーチは、研究所(英語)に人々を集めて実施しました。様々な広告を視聴してもらい、視聴者の体験を確認しました。当社は多くのリサーチを行いました。  

興味深いことの一つに、ストリーミング特有の関係性が存在します。プロが制作した高価値なコンテンツに見合う収益を得たいと思うパブリッシャーと、視聴者の脳に広告を刷り込みたいと思うバイヤー、できるかぎり低価格でコンテンツを楽しみたいと思う消費者との関係性があります。 

視聴者体験特有の関係性があるのです。視聴者は広告を一切目にしたくないと考えていますが、より多くのコンテンツを低価格で観るには、広告が必要だと理解しています。最適なエクスペリエンスとしての最適な広告ポッドとは、パブリッシャーに最大の収益をもたらし、かつ視聴者に多様な広告を表示することなのです。 

当社で一つ分かったことが、視聴者は、続けて同じ広告を目にしたくないという事です。それは当然ですよね。しかし、複数の広告ポッドにおいても、視聴者の最大の課題の一つで、そして視聴を止めてしまう原因は、あらゆる広告ポッドの同じタイミングで、同じ広告を目にすることなんです。とても不満が高まります。 

つまり、様々な広告が入ってきて、自由に選べられ、広告ポッド内で組み合わせられることで、繰り返し同じ広告を目にすることがなくなるため、より良い視聴者体験を提供できるのです。視聴者が不満を感じ視聴を止める原因は作りたくないので、広告主にとってもメリットをもたらします。 

当社では、こんな調査結果を発表しています。最適な広告ポッドの尺は、さらに短いもので、あらゆる尺の広告が含まれているものです。全て30秒や15秒といったものではなく、全て6秒というものでもありません。異なる広告の尺を含むことで、より良い広告ポッドになります。 

何度も同じ広告を見たいとは思っていない視聴者に対して、広告主はメッセージを届けることができ、そうしたメッセージに多様性を持たせることができます。ある人にとっては、同じ広告の繰り返しでも、ある人にとっては、広告を思い出すことになります。そういったことを考慮して、フリクエンシーの管理を行います。同じストリーミングで全ての広告を配信するのではなく、キャンペーンの期間全体を通して配信します。 

つまり最適な広告ポッドとは、このようなバランスを上手く取ることです。こうした綿密な準備を行なうことで、様々な尺と多様性を上手に組み合わせます。収益を最適化しつつ、広告ポッドの尺を調整します。それによって広告が過剰に表示されず、視聴者が飽きることもありません。 また、広告の多様性も管理することで、様々なストーリーがストリーミングで伝えられます。 

AC:つまり完璧な広告ポッドとは、6秒の広告を3分間配信することではないんですね。 

DD:違いますね。テストを実施して驚きました。6秒の広告を30分間配信するだけの将来になると思っていました。違いましたね。 予想が外れました。 

AC:貴重な情報です。最適な広告ポッドは、ただ同じ広告の繰り返しを避ければいいだけだと考えていました。非常にいいことを聞きました。異なる広告ポッドでの広告の繰り返しでさえも、同様の視聴者の不満を生みだすとは。 

DD:当社では、同じタイミングで著しい視聴停止を確認しました。また、広告ポッドシャッフルというものもあります。多少、広告を混ぜることができます。私はそれほど気になりませんし、視聴者も気にしていません。これには、それぞれ異なる状況があります。大きなライブイベントのスポンサーになりたいというものと、TVで、ある番組を何度も視聴すると、どの広告ポッドでも同じ広告が表示され始めるということです。 

AC:では、広告ポッドの先、2.6の先を考えてみましょう。チャンネルや、ストリーミングのこと、番組について考えると何が思いつきますか?次の課題は何でしょうか?エコシステムが協力して広告ポッド以上に取り組むことは何でしょうか?これまでにお話してきたことでも構いません。 

DD:来年、楽しみにしている大きなことが2つあります。1つは、新たなデバイスと新たなチャンネルをプログラマティック広告に対して広げることです。昨年末に、当社は発表を行いました。リアルタイムのプログラマティック広告の決断をリニアTVのセットトップボックスに導入しました。  

ニールセン社の調査によれば、リニアTV視聴のおよそ半数または、テレビ視聴のおよそ半数はケーブルもしくは地上波放送です。この機会を活用することは、多くのインベントリを獲得することにもなります。そこで、当社ではプログラマーが、従来のセットトップボックスのインベントリに取り組み始めました。 

今後もさらに取り組みを進めていきます。当社で実現を進めることで、あらゆるテレビ視聴がストリーミングのようになります。つまり広告主は、どんな媒体でもプログラマティック購入が可能になるのです。現在、当社が注目しているのは、インベントリと  

ライブ配信です。ライブイベント(英語)は大きなビジネス機会です。最も視聴されている番組は  いまだにNFL(アメリカのプロアメリカンフットボールリーグ)です。アメフトはスポーツであり 大型イベントでもあります。 

業界にあらゆる課題を提示しています。かつて、そして未だにそうですが、数百万人の視聴者を獲得するということは、文字どおり同時に数百万の入札リクエストがあるということです。サーバーから来ているように見えますが、ストリームスティッチャーから来ていて、不正として簡単に破棄できます。  

一方で、残念ながら、それが最も価値の高いイベントなんです。同時に大きなリーチを獲得できる 唯一の機会だからです。通常、高い関心を示すオーディエンスで番組へのエンゲージメントが高く、電源を消そうとは考えていません。特に良い試合であれば、なおさらです。 

そこで、広告主にとって実現が困難な状況、パブリッシャーにとって最善な状況という緊張状態が生まれます。 またパブリッシャーは、数百万人という機会など、繰り返し配信のようなビデオ・オン・デマンドでは 再現できないため失敗したくないと思います。  

ライブ配信における規模拡大の課題やペーシングの問題を解決するため、プログラマティック・サプライチェーン全体で取り組むことにより、新たな広告主をこれまでアクセスできなかったコンテンツに  呼び込むことができるのです。これは、パブリッシャーにとっても、新しい機会を生み出します。さらに多様な広告を提供し、より細かいターゲティングやその他課題も改善します。 

プログラマティック広告をうまく活用して、新たな環境に適用し、ライブ配信に取り入れることが、当社が次に注力していることです。 

AC:とても楽しみですね。 プログラマティック広告、リニア、そしてライブ。すばらしいですね。 

DD:全て重要なことですよね。ユーザーは、いつ視聴してどのようなインベントリがあるのか、データを把握し、重要なことはプログラマティックで実行できます。  

AC:デイビッド、ご出演ありがとうございます。そして、業界標準を通じて より良いTVコマーシャル枠を構築するために、当社とのパートナーシップと協働してくださることに感謝します。  

DD:すばらしい対談でした。お招きいただきありがとうございます。ありがとうございました。 

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