キュレーションマーケットプレイスが広告エコシステムにもたらす価値

Jessica Breslav, 最高顧客責任者
メディア企業とマーケターは現在、ターゲティングシグナルの廃止からプライバシーに関する配慮、サプライパス最適化や日々高まるサステナビリティに関する懸念に至るまで様々な課題に直面しています。こうした課題の対処に非常に役立つキュレーションの重要性が高まっています。さらに、キュレーションはターゲティングやリーチの向上にもつながります。Index Exchangeで最高顧客責任者を務めるジェス・ブレスラフ(Jess Breslav)が、キュレーションマーケットプレイスが広告エコシステムにどのような価値をもたらすのか解説します。 

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キュレーションマーケットプレイスとは

キュレーションは、既存の接続やインフラを活用して、エコシステム全体のメディア企業からバイヤーまで、さらなる効率性をもたらします。また、現在のマーケットプレイスでは、より一般的になっています。

まず、キュレーションマーケットプレイスとはどういうものか見ていきましょう。キュレーションマーケットプレイスは、カスタマイズされたマーケットプレイスでデータや貴社独自の強みをカスタマイズしたメディアのプレミアム・インベントリと組み合わせたものです。

広告のキュレーションは、新しいものではありませんが、時代とともに進化しています。 

黎明期において広告ネットワークは、コンテンツやオーディエンスに基づいてパッケージを作成していました。業界が進化するにつれ、プログラマティック・バイイングがデータを駆使した戦略とディールを可能にしました。

そして、ダイレクトセールスがプライベート・マーケットプレイスに移行し、バイヤーとセラーのより強力な関係性の構築を促しました。やがて、バイヤー向けのディールとパブリッシャーが拡大するにつれてディールキュレーションの需要が高まりました。

現在、キュレ-ションマーケットプレイス内に構築したインフラが増加したデマンドの対応に役立っています。 

元来、キュレ-ションマーケットプレイスは、既存のプログラマティックのインフラ上に存在するもので、運用の負担を取り除くものです。また独自の価値を提供し、効率と拡張性を生み出し、品質維持にもつながります。エンドバイヤーやトレーダーのワークフローを簡易化するため、キュレ-ションマーケットプレイスのあらゆる価値や複雑さがディールIDへと集約されます。そして、ディールIDは、SSPによりDSPへシグナリングされます。

現在、様々な種類のキュレ-ションマーケットプレイスが現れています。これには、以下の内容が含まれます。

  • データアクティベーション・プラットフォームがその1つです。クッキーレス・ソリューションプロバイダーなどは、メディアパッケージを作成し特定のオーディエンスに、複数のフォーマットを用いて大規模にリーチします。
  • キュレーション専門企業が作成するメディアパッケージは、チャネル全体で二酸化炭素排出量の低いサステナブルなインベントリを集めたものなどです。
  • リテールメディア・ネットワークは、顧客オーディエンスに基づいて店舗ウェブサイトとアプリ全体でインベントリとデータを提供します。
  • メディアエージェンシー、クリエイティブテクノロジー企業、パブリッシャーのオーディエンス拡大部門、AI駆動のパフォーマンス・アルゴリズム企業は、様々なキュレーション・プロバイダーのほんの一部に過ぎません。 

こうした各企業すべてが簡易的なキュレーションによって、メリットを得られます。キュレーターは数多くのメディア企業と接続する必要がありません。また、様々な代理店やDSPとの接続も不要です。

その代わりに、キュレーターはデータやサービスを活用して、プレミアムサプライと組み合わせられます。そして単一のディールIDに置き換えることができるのです。バイヤーは、そのディールIDを用いて取引を行えます。キュレーションマーケットプレイスのインフラは、運用面の大きな負担を取り除き、規模拡大を迅速かつ簡易化してくれます。

キュレーションマーケットプレイスは、エコシステムにどんな価値をもたらすのでしょうか?  

メディア企業は、メディアバイヤーやマーケターとのパートナーシップを強化し、新たなインフラの構築を必要とせずにより多くのデマンドを得られます。広告プレースメントと消費者体験をより細かくコントロールできます。 

マーケターは、より効率的で高い費用対効果で直接サプライにアクセスできます。つまり、より優れたターゲティングと広告の適合性を意味します。これにより、キャンペーンパフォーマンスが向上し、ブランドの安全性と透明性が確保されます。

重要なことですが、業界全体においてキュレーションがサステナビリティの改善(英語)を促しています。

デジタル広告業界は、世界全体の二酸化炭素排出の3.5%(英語)を占めています。キュレーションマーケットプレイスは、統合したサプライパスをもたらします。つまりサプライパスのホップ数が減り、より効率的な入札機会が増えるのです。

これによって無駄なリクエストが減り、処理に必要な電力消費を抑えることができます。継続的にプログラマティックのインフラを再構築するのではなく、キュレーションは既存の接続を活用し新しい取引を導きます。

サプライ側から見てキュレーションマーケットプレイスを活用することには、どんな価値があるのでしょうか?

DSPにはQPS(1秒ごとに処理できるリクエスト)に、上限または制限があります。つまりオープンウェブで見える利用可能な在庫にフィルタリングが行なわれています。これまで以上に、現在の市場ではサステナビリティの重要性が高まっている中で、無駄な処理と電力消費を防ぐため非常に重要なことです。

その一方で、SSPはサプライチェーンに真っ向から対峙します。サービスを提供するパブリッシャーは、すべてのリクエストを確認する傾向があるため速度が落ちることはありません。 つまりキュレーションマーケットプレイスにとって、サプライ側の限られたデータをオープンウェブ全体で活用することで、より適したオーディエンスデータが得られるのです。マーケターは、より広範囲に、より多くのオーディエンスにリーチすることができ、DSPは的確で継続可能なQPSの上限を維持できます。

キュレーションマーケットプレイスがもたらす価値は、メディア企業、バイヤー、そして広告エコシステムに対するものですが、サステナビリティに関しても良い効果をもたらします。そして、マーケットプレイスは今後も勢いを増していくでしょう。 

Index Exchangeのマーケットプレイスでキュレーションの力を活用して、新たなビジネス機会を手に入れる方法を学びましょう。

動画制作に協力してくれた、マーケットプレイス運用ディレクター サラ・ボザウェイ(Sarah Botherway)に感謝します。

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