ストリーミングTVにおけるライブ広告の特徴

Tyler Taylor, セントラルオペレーション・エクスチェンジグロース シニアディレクター
この10年で、プログラマティックの目覚ましい進歩とともに、ストリーミングTVが普及しました。しかし、この業界には、ライブストリーミング・コンテンツという大きな課題があります。Index Exchange セントラルオペレーション・エクスチェンジグロース シニアディレクターのタイラー・テイラー(Tyler Taylor)が、ライブイベント広告の複雑さとマーケターとメディア企業がストリーミングTVでプログラマティックの価値を最大限に活用するために必要なことについてお話します。

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ストリーミングにおけるライブイベント広告について

ライブストリーミングにおけるプログラマティックには、ビジネス上および技術上の課題が残っており、マーケターやメディア企業が、この大きな機会を最大限に活かせていません。

ライブストリーミング番組にはさまざまな種類があり、プログラマティック広告において考慮すべきことが異なります。

  • ライブ配信される録画済みコンテンツがありますが、TV番組の新しいエピソードや映画など、リニアTVの予め決まった時刻に視聴するコンテンツがそれにあたります。
  • スポーツ中継や授賞式、ニュース速報のように、その場でリアルタイムにストリーミング配信される⁣コンテンツ、ライブイベントがあります。

ストリーミングは既に、ウェブやモバイルとはまったく異なる、新しいプログラマティックの方向性を示しています。ライブイベントは、さらにその傾向を強めています。

まず、視聴者はリアルタイムで観ることを好むため、一般的に視聴率が高くなります。この貴重なインベントリを利用しようとするマーケターは、キャンペーン(英語)に取り入れるために事前に計画を立てます。 

ライブ環境でのコマーシャル枠は、常に事前に設定できません。ニュース速報やスポーツ中継の延長戦を想像してみてください。他のライブストリーミング機会と比較して、独自のトラフィックの傾向と要件があります。 

ストリーミングにおけるライブイベント広告の課題

現在、プログラマティック入札リクエストに、ライブインベントリを示すライブストリーム・アトリビューションがあります。しかし、これはライブストリームとライブイベントの両方を含み、ライブで放送されているもの全てを示します。

広告機会が、リアルタイムで放送しているライブイベントなのか、事前に録画してライブ配信している番組であるのかを見分ける柔軟性のある方法がありません。また、ライブイベントのより詳細な情報を事前に共有し、バイヤーがより良いキャンペーン計画を立てられるような発展した方法もありません。

では、違いと課題について詳しく見てみましょう。

一般的に、ストリーミングはプライムタイム(英語)視聴スタイルに沿っています。ほとんどのタイムゾーンで、午後8時から11時の間に視聴者数が顕著に急増します。このパターンは、簡単に予測可能です。

録画済みのライブストリーミングコンテンツ(英語)も、通常はこのパターンに従います。しかし、ライブイベントはより複雑で、急激なデマンドの増加を引き起こします。

視聴者数は、はるかに多いです。つまり、同時視聴者数とトラフィックの量が大幅に異なります。また、コマーシャル枠の開始時間や終了時間が事前に設定されていないこともあります。例えば、バスケットボールの試合中にコーチがタイムアウトを取り、中継がコマーシャルに切り替わるような場合です。 

そこで、コマーシャル枠が発生すると、多くの広告リクエストが同時に発生し、その結果、DSPへの1秒毎のリクエスト(QPS)が急増します。現在のDSPのペーシングアルゴリズムは、ウェブ用に構築されているため、このような非常に価値が高い、一瞬のイベントに対して、必ずしも完璧に正しい判断ができるとは限りません。これは、エンゲージメントの高い視聴者にリーチする機会を逃すことになりかねません。

今日のメディア企業は、プログラマティックのデマンドが番組の序盤に集中し、後のコマーシャル枠が埋まらず、収益化されないことがよくあります。バイヤーは、どのような機会が活用可能かを事前に把握し、イベントについて把握している事と照らし合わせる必要があります。そうすることで、この貴重なサプライを予測し、ターゲティングし、最適化できます。

誰でも成功するためには、解決すべき課題が多く存在します。そして、ライブストリーミングのインベントリの多くは、まだリニア購入の習慣に留まったままです。 

今後の目標

最初の基本的要素の一つは、プログラマティックで、ライブイベントがいつ発生するのか明示することです。これは、OpenRTBのコンテンツオブジェクトに、ライブイベントのインベントリと、他のライブストリームの機会を区別するアトリビューションを追加することで実現できます。

これは、メディア企業が、ライブイベントのインベントリを明確にシグナリングする第一歩であり、最終的には、イベント全体のフィルレートを向上することを目的としています。また、バイヤーとそのDSPに対して、ライブイベントのための入札リクエストであることを⁣より明確に示すことになり、キャンペーンの入札方法とペーシングを検討する際に、異なるアルゴリズムを活用できる可能性があります。 

ライブイベントとプログラマティックのパフォーマンスを⁣より向上させるためには、まだ長い道のりがあります。

ライブイベントをプログラマティックに開放することで、最も価値のある領域がエコシステムに加わり、大型イベントのメディアを確保するリソースを⁣持っていなかった企業やバイヤーに大きな利益をもたらします。

さらに、プロトコルをダイナミックで素早く対応できるものに改善するほど、ニュース速報やスポーツ中継のタイムアウトなど、ライブの不定期な性質をより収益化できるようになります。 

私たちは、プログラマティックにおけるライブイベントを向上し続けるために、業界として協力していくことを楽しみにしています。

ライブストリーミングを最大限に活用する方法は、Index ExlainsのストリーミングTVシリーズをご覧ください。

この動画の制作に携わった、プロダクトマネージャーのキャサリン・チョー(Catherine Cho)に感謝します。

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