プログラマティックディールのタイプ
従来のリニアTVや放送の取引は、1対1または直接交渉を基に構築され、ストリーミングTVにもその取引方法が利用されています。ストリーミングTVでディールを使った取引をするのは、従来のTVの取引モデルにまで遡り、表示のされ方やプログラマティックインベントリの取引方法が異なります。
TVの在庫を購入する方法は、いくつかあり、従来の広告掲載オーダー(IO)やプログラマティック取引を介した方法があります。
- 先ずは、従来の先行取引です。これは、マーケターと代理店が、ネットワークと年間契約を結び、ネットワーク上の特定の番組で決まった広告費を支払う取り決めをするものです。
- 次に、先行取引期間中に購入されなかった全ての在庫「スキャター市場」というものが存在します。メディアバイヤーは、1年を通して、コスト、規模、期間に柔軟に対応できるスキャター購入のために一部予算を確保しています。
- 最後に、プログラマティック購入についてお話します。先行取引もスキャター購入もプログラマティックに取引可能です。バイヤーは、ターゲティング、測定、最適化において、より細かく柔軟に管理できるようになります。
一般的に使われているプログラマティックディールの様々な種類について詳しくお話します。
プログラマティックギャランティードは、手動の先行取引やプログラマティック購入の広告掲載オーダーの代わりとなります。これらは、1社のメディア企業と1人のバイヤー間で、特定の予約されたインベントリを事前に交渉した価格で取引する方法です。
プリファードディールとは、プログラマティック・ノン・ギャランティードと呼ばれることもあり、メディア企業が特定のインベントリを決められた価格でバイヤーに提供する取引です。ただし、このインベントリは保証されていません。バイヤーは、より大きなオークションに移行する前に、合意した価格で最初に入札するチャンスが与えられます。
プライベートオークションは、PMP、つまりプライベート・マーケットプレイスのことでメディア企業が特定のバイヤーをマーケットプレイスへ招待します。メディア企業が希望するフロアプライスを設定し、参加しているバイヤーは、予約または保証されていないインベントリに入札できます。メディア企業は、市場内の全てのバイヤーではなく、厳選されたバイヤーとのみ強化したコンテンツシグナルを共有できます。
これら3つのディールタイプは、メディア企業が発端となります。広告サーバーとSSPは統合され、ディールの仲介の役割を果たします。
最後に、SSPにより選別しまとめられたインベントリのインベントリパッケージまたはオークションパッケージです。バイヤーは、メディア企業の特定のリストを使用して、カテゴリ、ジャンル、ライブ配信、デバイス、フォーマットなどの条件でカスタマイズすることができます。バイヤーは、オープンオークションと同様に入札しますが、効率的なワークフローで、プレミアムな関連性の高いインベントリのみをメディア企業のコレクションから選びます。インベントリパッケージは、ストリーミング市場にシンプルさとスケーラビリティをもたらすと同時に、メディア企業がバイヤーにインベントリへのアクセスを提供する方法の1つでもあります。
これらの取引はすべて、ディールIDを使用して取引されます。メディア企業の広告サーバーまたはSSPによって生成された固有のIDです。ディールIDは入札リクエスト内で共有され、メディアバイヤーは、それを自社側で照合し同じディールIDを持つ入札レスポンスを返すことでディールで取引することができます。
ディールは、プレミアムインベントリが存在するプログラマティック・ストリーミング市場の取引で必要不可欠です。プログラマティックの効率性、コントロール性、柔軟性と従来のTVの購入方法を兼ね備えた完璧な取引方法です。
メディア企業は、さらなる透明性または、付加価値を適切に反映した価格のシグナルを提供でき、メディア企業が、需要とコスト効率のバランスをとり、最適なインベントリの購入方法を選ぶことができます。
ストリーミングTVの機会について詳しく見る