プログラマティックギャランティードの仕組み
プログラマティックギャランティード(PG)は、1社のメディア企業とバイヤー間で、固定価格で綿密にインプレッション数について交渉する取引方法です。これによりメディア企業は、決められた予算内で予測、計画することができます。またバイヤーは、オークションに入札するより確実に広告が配信される保証が得られます。
PGは、メディアバイヤーがテレビ局と交渉し次年度の特定の番組に、キャンペーン予算をコミットする従来のテレビの年間先行取引(アップフロント)と似ています。先行取引をプログラマティック化することに加えて、メディア企業とバイヤーはPGを利用していつでも保証ベースでキャンペーンを実行することができます。
プログラマティックギャランティードの交渉
PGがどのように交渉され、構築されるかを詳しく見てみましょう。まず、バイヤーはメディア企業と直接交渉し、ディールで希望するパラメータを設定します。
価格とインプレッションの他に、PGでは複数の追加条件について交渉することができます。
- デイパーティング(時間指定配信)。たとえばプライムタイムにのみ広告配信
- ドラマシリーズの初回など特定のコンテンツに限定して広告配信
- 25歳~54歳の成人といった特定のオーディエンスを指定して配信
- ジャンル、ネットワーク、チャンネル、シリーズ、エピソードなどコンテンツオブジェクト・シグナルなどを中心に構成
すべてのディール条件が確定されると、メディア企業はそれらのパラメータに基づいて予測しディールを有効化するために広告サーバーに予約可能なインベントリを決定します。これで、バイヤーは保証されるインプレッション数と費用を正確に把握できます。
プログラマティックギャランティードの有効化
メディア企業とバイヤーが、ディールの構成に合意したところでプログラマティックエクスチェンジを通じて、PGがどのように有効化されるかを見てみましょう。
- まず、メディア企業はSSPとPGのIDを作成します。これはバイヤーのDSPとも同期できます。
- ディールを作成したら、SSPはこのPGに紐付けられたディールIDに繋がるVASTタグを作成します。
- そして、対象となるインプレッション機会がある場合、広告サーバーは、この特定のディールIDに接続されたSSPのVASTタグを呼び出します。
- 重要なのは、バイヤーがオークションパスにおいて優先される権限を持っていることです。入札リクエストでそれを伝えるためにSSPは、PG IDにマッチするインベントリにその拡張子を付けてDSPに渡します。
- DSPは、そのディールIDに関連する入札リクエストの全てに入札します。
- DSPがディールIDのパラメータで入札することで、ディールIDは自動的にインプレッションを落札します。これにより、DSPの入札が100%落札されることが事実上保証されSSPはこれらの入札の100%をメディア企業の広告サーバーに渡します。
- 最後に、広告サーバーがPGインプレッションを配信します。
SSPとメディア企業は、PGの予算のペースと配信を完全に把握できます。その一方で、キャンペーンのペースと配信をコントロールするのはメディア企業の広告サーバーです。
ストリーミングTVにおける保証型取引
保証型取引は、従来のテレビの広告収益の大部分を占める、長く人気のある購入方法でした。プログラマティックギャランティードは、同じ考え方をストリーミングTVに取り入れており、メディア企業とバイヤーが自動化とプログラマティックがもたらす効率性、コントロール、柔軟性というメリットを得られます。
バイヤーは、メディア企業の広告サーバーで、より高い優先順位を持つことでメリットを得られ、キャンペーンがターゲットのオーディエンスにリーチするために完全に配信されることを保証します。また、メディア企業は、保証された取引がもたらす安心感から、より正確に収益予測を立てられます。
そして何よりも、プロセスの大部分をプラットフォームが自動化することで、複雑な取引形態から摩擦が取り除かれ、双方にメリットをもたらします。
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