MFAサイトとサプライチェーンの品質について
プログラマティックと自動取引が出現して以来、サプライチェーンの品質は常に重要視されてきました。AIが高度化し広告のために作られたMFAサイトが、普及した現在では、その重要性が増しています。
マーケターが、どのようにしてMFAや詐欺からプログラマティック・キャンペーンを守れるか見ていきましょう。
マーケターはキャンペーンが、ブランドに適した環境で配信されていることを確実にし、消費者にとってポジティブな体験になることを望んでいます。また、全てのインプレッションが、視認性の高い配置でボットに表示されないことを希望しています。
その一方で、MFAは、ボットが無効なトラフィックや偽のクリックを生成するような従来の詐欺ではありません。悪意のある者がトラフィックを購入し、視認性のような虚栄の指標を達成するために、高い広告密度や頻繁な更新を増やして、消費者体験を悪化させる、新しい詐欺の形態です。これらのサイトは、正当な価値のあるコンテンツを作成するためでなく、広告収益を生み出すために作られています。
10年前、私たちのエコシステムは同様の困難に直面しました。不正なパブリッシャーにより偽サイトとトラフィックが市場に氾濫しました。当時、私たちには現在のような明確な透明性に関する基準がありませんでした。
では、MFAやその他詐欺を防ぐための解決策はどのようなものが存在するのでしょうか?
sellers.jsonを利用してプログラマティック・キャンペーンを守る
メディア企業やマーケターおよびアドテクプラットフォームは、品質を確保する役割を果たしています。最終的に、SSPはMFAサイトをエクスチェンジから削除し、その広告費を正当なパブリッシャーに投資する必要があります。また、メディアバイヤー自身もキャンペーンを守ることができます。マーケターは、プログラマティック・エコシステムにおいて重要な影響力を持ち、予算の配分先を慎重に選ぶことで、変化を起こせます。
つまり、プログラマティック広告を完全に避けることは、その高い効率性と価値を考えると現実的な解決策ではありません。
現在、プログラマティック・マーケットプレイスの透明性は今までになく向上しました。では、詳しく見てみましょう。
現在、各SSPは、 sellers.json(2019年にIAB Tech Labが策定したプログラマティック標準)を使いエクスチェンジを介して支払いを行う全てのメディア企業と仲介者を開示しています。これによりプログラマティックの関係者は料金の流れを広範囲に追跡できます。透明性を確保しつつ追跡できるフレームワークを提供しているのです。これは一般に、公開されているファイルです。例えば、Index Exchangeのファイルは、indexexchange.com/sellers.jsonで確認できます。
この標準とads.txtやSupplyChainオブジェクトのような、透明性ツールを活用すれば、MFAサイトから在庫の購入を回避できます。SSPのsellers.jsonファイルには、会社名やドメイン、セラーIDおよび在庫の種類と共にメディア企業が記載されています。したがってsellers.jsonを参照すれば、入札リクエストに関与するすべてのセラーをドメインレベルだけでなく、ルートパブリッシャレベルで確認できます。
これは新しいドメインが出現するたびに、MFAを回避するのに役立ちます。個々のドメインよりもルートパブリッシャを検証することで、効率的に識別するのに役立ち、MFAをサポートするセラーを排除できます。
また、近年一般的になっているMFAサブドメインを排除するのにも有効です。これらは正当なプレミアムパブリッシャーであり、セラーがMFAサブドメインを運営することを許可し、MFAコンテンツをより正当なものに見せかけ隠蔽しています。このサブドメインは、パブリッシャーでなく、MFAに特化したセラーによって運営されている場合が殆どで、個別のドメインではなくセラーの排除に焦点を当てることは、リスク軽減につながります。
プログラマティック・キャンペーンを守るためにSupplyChainおよびads.txtでsellers.jsonを参照
次に、SupplyChainおよびads.txtと共にsellers.jsonを相互参照してください。全体像を把握して各ホップを検証するのに有効で、各セラーが認証されているかを確認できます。この3つのツールが、プログラマティック・キャンペーンを有害または詐欺的なサイトから守るためのカギです。一方、各ツールの目的は異なります。この違いは、MFAの識別と削除に、特に重要な役割を果たします。
Ads.txtは、広告在庫の販売認可を受けたセラーであることを提示するために、パブリッシャーが管理しています。しかし、販売に関与している認可された仲介者など、各インプレッションのすべての取引経路は開示されません。Sellers.jsonとSupplyChainは、より透明性が高く、SSPがパブリッシャーの広告在庫の販売に関与するすべての関係者を明示します。
MFAは、常に生み出されていることを考慮すると重要です。今日一つのドメインが閉鎖されたとしても、明日には新しいドメインが出現します。あるいは、ドメインが最初は正当なパブリッシャーとして出現して品質審査なをパスしても、後にMFAサイトとなり、SSPがエクスチェンジから削除することになりかねません。
新たに発見されたMFAサイトに関する業界レポートは、出現するペースに追いつき、新しいMFAのソースを特定することを目指しています。ads.txtのみに依存し、識別するのは非効率的であり、情報が古くなる可能性があります。
例えば、MFAサイトがまだads.txtファイルにSSPパートナーを記載しているかもしれませんが、そのSSPはエクスチェンジから排除し、sellers.jsonファイルから削除しているかもしれません。これらのファイルは異なる当事者が管理しているため、すべてを確認することで不一致を特定できます。
優先したいパブリッシャーの許可リストを作成する
次は、貴社のゴールや希望する質の高いパブリッシャーに基づき、ブロックリストから許可リストを作成する戦略を講じてください。
現在のドメインを次々と閉鎖する方法では、MFAを排除できません。常に変更するドメインをブロックするより、高品質な広告プレースメントを確保する許可リストの方が効率的です。ルートパブリッシャーレベルで、ドメインを参照するため、sellers.jsonは、ここでも有効です。
許可リストの維持には、計画性と目的が必要ですが、効果的な対策です。貴社でより細かく管理でき、オーディエンスに優れた広告体験を提供します。
品質の追求に終わりはなく、また、悪意のある者は検出を回避するために進化し続けます。現在、利用可能なツールを活用して、在庫ソースを検証して貴社の資金を無駄にしないようにしましょう。プログラマティック・パートナーと協働し、広告費に見合う価値のある正当なパブリッシャーとのみビジネス関係を築きましょう。
一丸となって、サプライチェーン全体で高い品質を維持し、責任ある、透明性の高いエコシステムの形成を実現しましょう。
Index Exchangeのエクスチェンジ品質に対するアプローチをご確認ください。