GPIDとプログラマティック広告にもたらす影響

Robert Lawrence, Head of Product Marketing
プログラマティック広告が進化するにつれ、広告プレースメントの取引に、より高い透明性と効率性が求められるようになっています。GPID(グローバル・プレースメントID)は、ビッドストリームに明確性をもたらす標準IDで、バイヤーとメディア企業が十分な情報を基に意思決定でき、より良い結果を実現します。Index Exchangeのプロダクトマーケティング責任者 ロバート・ローレンス(Robert Lawrence)が、GPIDとは何か、またその仕組み、サプライパス最適化と同時にスマートな入札戦略を可能にする方法を説明します。

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GPIDとその仕組みについて

オンラインで商品を比較していると想像してください。各店舗が、同じ商品に対して、それぞれ異なるコードや名前を使用しています。オンラインで価格を比較する際に、統一されたIDなしでは、同じ商品であるかどうか確認するのが難しくなります。

GPID(グローバル・プレースメントID)を導入する以前は、デジタル広告業界も同様の課題に直面していました。それでは、GPIDとその仕組み、また、プログラマティック広告に大きな変化をもたらした理由を解説します。

GPIDとは、プログラマティック広告プレースメントの標準IDです。これは、メディア企業により定義され、SSP全体で統一されています。メディア企業が、細かいレベルで特定の機会を発見でき、様々なプラットフォーム上の取引を検証するのに役立ちます。 

GPIDは、UPC(ユニバーサルプロダクトコード・商品識別コード)のようなIDだと考えてください。UPCが、販売場所に関わらず、小売業や消費者が商品を識別可能にしているように、GPIDは、ウェブページやアプリ内の広告プレースメントを識別できるユニバーサルな方法です。   

GPIDを利用せず広告プレースメントを購入する場合の課題

実際の取引場面で、GPIDがどのように機能するか理解するために、バイヤーがレシピサイト上で広告配信を考えていると想像してください。

GPIDが導入される以前は、バイヤーが、ビッドストリームで広告プレースメントを把握することはできませんでした。つまり、購入している広告枠の詳細を完全に理解できません。バイヤーは、特定のレシピのインプレッションに入札していますが、その広告がレシピの前に表示される広告枠なのか、レシピ内なのか、ページの下部なのか把握できません。

また、異なるサプライソース間で、広告プレースメントを比較するのは難しい可能性があります。例えば、複数のSSPから、レシピ内の同じプレースメントを確認している場合、入札の重複や無駄な支出につながります。このような不透明さは、エコシステムに関わるすべての人が、意思決定や、最適なサプライパスを見出すのを困難にします。  

GPIDが透明性を高める仕組み

GPIDが、透明性の欠如に、どのように対処するのでしょうか?

メディア企業が、広告プレースメントにGPIDを実装します。そして、SSPはOpenRTB入札リクエストに含め、バイヤーに送信します。GPIDをOpenRTBプロトコルに含めることで、取引に関わる全ての人が広告プレースメントを明確に把握でき、比較できるようになります。  

例えば、メディア企業の広告枠が特定のレシピページのヘッダーだとします。GPIDは、「/1234/RecipePage/ads#header」のようになります。  

このGPIDは、SSPからDSPに送られる入札リクエストに含まれます。 

GPIDコード 文字列

例えば、アバブザフォールドの視認性の高いプレースメントに対して、バイヤーは入札を最適化することができます。さらに、バイヤーは、各インプレッションの真の価値を見極め、異なるSSP間で重複する機会を見分けられます。  

メディア企業とバイヤーに対するメリット 

GPIDは、サプライチェーン全体で透明性と効率性を生みだし、メディア企業とバイヤーの両者にメリットをもたらします。   

バイヤーは、透明性あるGPIDにより、データに基づいた意思決定ができるため、より高いROIを実現します。特定の広告プレースメントについての、視認性のようなパフォーマンスメトリクス、またはクリックスルー率、完全視聴率を含む十分なデータが、高いパフォーマンスの在庫のメディア戦略を最適化するのに役立ちます。  

SSP間でGPIDが統一されているため、バイヤーは、どのサプライパスが最適な価格・落札率でプレースメントを提供しているか判断できます。これは、バイヤーが広告機会に対する最適なパスを評価・最適化でき、異なるパスの同じ機会に重複して入札するのを防げるため、サプライパス最適化(SPO)で重要な役割を果たします。  

メディア企業は、GPIDを取り入れることで、在庫の価値を高め、収益を向上できます。さらに、特別な製品や技術的な実装は必要ありません。バイヤーは、更に高い透明性を求めており、プレースメントレベルのデータを提供できるメディア企業と取引するようになっています。  

実際に、DSPの中にはGPIPを必須条件とする企業もあり、GPIDを実装していないメディア企業はデマンドを逃していることを意味します。広告機会の価値が、より可視化されることで、デマンドが増えるため、収益も増加します。当社のプラットフォーム上のデータでは、GPIDを実装したウェブパブリッシャーは、GPIDを実装していない企業と比較して、CPMが26%高いことが分かりました。   

また、GPIDはサプライチェーン全体において様々なメリットをもたらします。パフォーマンスの低いサプライを除外し、無駄なくインプレッションに入札でき、すべての関係者に必要なデータを提供することで、より効率的なサプライパスを実現します。  

結果として、このような効率性が全体の電力消費をおよび炭素排出量を削減することにつながり、必要なサーバー処理とデータ取引が減少することで、デジタル広告のサステナブルな取り組み*を強化します。

なぜ今GPIDを導入すべきか 

このような明らかなメリットがある今こそ、新しい業界標準を策定する時です。 

当社は、GPIDの実装を全てのメディア企業に推奨します。また、DSPが、ビッドストリームでのGPIDの検証を加えることを推奨します。デジタル広告のエコシステムが進化を続けるにつれ、広告カテゴリと目標を越えて、GPIDについての新たなパフォーマンス分析と最適化の事例が出てくることを予測しています。 

GPIDの導入が拡大するにしたがって、やがてプログラマティックの取引で必須になり、更に高い効率性、透明性、サステナブルなエコシステムを生み出します。 

GPIDを実装し、貴社のビジネスにもたらす効果を実感しましょう。詳細は、お気軽にお問い合わせください。 

この動画の制作に携わった、プロダクトマネージャーのマイク・ムーリン(Mike Mullin)に感謝します。 

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